奇々怪々 お知らせ

呪い・祟り

ぴさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

深夜の通販番組で
短編 2023/03/12 16:55 4,936view
2

職場に大嫌いな職員がいました。

何が悪かったのか毎日のように意地悪してくる職員がいて、私はその人のせいで十円剥げができるくらいに、心が病んでいたのです。

密かに病院に通院するようになったのも間違いなくその人のせいです。

私はあるときに、その人を呪ってしまおうととあるグッズを手に入れました。

それは深夜にストレス発散に通販番組を見ているときでした。

いきなり通販番組に真っ黒の服を着た女性が出てきて、このグッズを紹介し始めたのです。

そのグッズが何だったのか申し訳ないのですが覚えていません。

当初は覚えていたはずなのですけど、使用後に忘れました。

何か手に持てるものだったことは覚えています。

その通販番組は人を呪うグッズというものを販売していて、私はその通販を夢中になって見ていました。

実際に、この呪いのグッズを使って成功したという人のVTRを流していました。

それが今の私の状況とぴったりと重なって、私はその話にくぎ付けになりました。

そのグッズの力が本物だったら、私も嫌いな職員から解放されるかもしれないと思ったのです。

すぐに電話して、その品を注文しました。

今考えると、通販番組でそんなバカげたものを売っているわけはないと思います。

冷静になってみるとそう思うのですが、そのときはその呪いのグッズを買わないという選択肢はないと思いました。

しばらくして家に注文した品が本当に届いたのです。

あの通販の後にいろいろと調べてみたけど、そのようなグッズを売っている形跡はありませんでした。

だから夢でも見たのかと思って忘れかけていたときに、その品が届いたのです。

私はすぐに、夢じゃなかったのかと驚いて、その品を使うかどうかしばらく悩みました。

そんな馬鹿なと思いながら少しだけ信じている自分もいたのです。

人を呪うグッズを使うのに躊躇があり、長らく悩みました。

でもその日は今までにない、仕事に関係する酷いいじめにあい、あまりに許せなくて、そのグッズを使おうと決心しました。

その朝、グッズを手に持って私は朝一で職場に行き、そして大嫌いな人の机に置いたのでした。

いつ気づかれるかとひやひやしたし、そのグッズを机に置いた人が誰か探される可能性も考えて、初日はずっとドキドキしていました。

でもその人は勝手に置かれたそのグッズについて何も言いませんでした。

まるで見えないかのように、気にしていなかったのです。

でもその人は日に日になんだかげっそり痩せていき、そしてある日突然に急死したのです。

職場の職員たちも驚いていましたが、心臓発作だったと聞きます。

独身だったその人は誰にも気づかれずに亡くなったそうです。

1/2
コメント(2)
  • 他の職員も置いてて効果が増幅されたんでしょうね。

    2023/03/12/19:31
  • ↑闇が深い

    2023/03/28/11:38

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。