林間学校で起こった怖い話
投稿者:リヒトネーナ (1)
これは私が小学四年生の林間学校のことです。
2泊3日で友達と過ごせることに楽しみでしたが、2日目のナイトハイクという森の中を決められた道で歩いていくというものだけ、怖いと感じていました。
ついに1日目が過ぎ、2日目のナイトハイクの時間が来ました。
私たちのナイトハイクは、4人〜5人くらいの班ごとで回るもので、通るべき道には小さなあかりが着いており、そのあかりを頼りに歩いていくというものでした。
1組ずつ歩いていくため、班の間隔を開けてナイトハイクが始まりました。私たちの班の順番は真ん中あたり。まだまだ順番は回ってきません。
林間学校に行く前から、ナイトハイクが怖かった私にとって、順番待ちをしている時間でさえも、夜の森の中を歩くことがとても怖いと感じていました。
心臓がドキドキしていて、段々減っていく前の班の人たち。
ついに私たちの班の番が来ました。
1本の渡された懐中電灯と、森の中の小さなあかりを頼りに進んでいきます。夜の森はすごく静かで、月明かりは森の木々たちで隠れて見えませんでした。等間隔に置かれた小さなあかり。前の班なんて、一切見えませんでした。
歩いていると所々に、学校の先生たちが見張っており、時折隠れては、私たちが来ると驚かせてくる先生も居ました。中には、お化けの衣装を着て、驚かせてくる先生もおり、また小学四年生の私にとって、とても怖く泣いてしまったのを覚えています。
それでもあかりを頼りに歩いていく私たち。森に置かれた小さなあかりの間隔も分かってきて、次のあかりを頼りに歩いていた時です。
歩いてきた道のあかりの間隔がわかっていた私たちは次のあかりを探しているのに、次のあるべき所にあかりが無いのです。私たちはうっすらと見える、さらに次のあかりを頼りにして森を歩き始めました。
この時は後で何が起こるかなんてまだ知るよしもないのです。
歩いてきた道から少し外れてしまったのか、あたりに小さなあかりがひとつも見えなくなってしまいました。真っ暗な森の中で、懐中電灯を照らし、必死にみんなで目を凝らして探してみますが、なかなか見つかりません。
そう、私たちは、決められた道から外れてしまい、森の中で迷子になってしまったのです。
辺りには先生もおらず、私たちだけ。誰にも助けを呼べません。今だったらスマートフォンから誰かに電話をすれば助けに来てくれるかもしれませんが、小学校の林間学校では、連絡を取ることのできる精密機器は持っていくことが出来ないため、誰にも連絡を取れません。
その時でした。私が目を凝らして森の中を見ていると、奥の方に白っぽい光が見えたのです。
私はやっとあかりを見つけたのだと思い、班のメンバーにあかりがあったと伝えました。しかし班のメンバーは誰1人、そのあかりが見えないというのです。
もう一度私があかりの方に目を向けると。そのあかりはさっきよりも近くにありました。よく見てみると、白いワンピースのような服を着た長い髪の…いわゆるテレビでよく見る貞子のような幽霊が見えたのです。恐怖のあまり、震える声で改めて、私はみんなにその事を伝えましたが、誰一人として見えていないのです。
私は元々霊感が強いのか、幼い頃から、別の場所でも同じような経験をしたことがあります。誰にも見えないものが見えること、パニックでした。
近づいできているはずなのに、全く足音がしない女の人。恐怖のあまり、震える身体。
私は霊感が強いということを自分で理解していたため、夜の森を歩くと、以前のようにみんなが見えないものが見えてしまうのでは無いのかと怯えていたこともあり、ナイトハイクに行きたくなかったのです。
「おーい、お前ら!」
遠くから声が聞こえました。なかなか時間内に戻ってこない私たちを心配して、先生が来てくれたのです。
「先生!あそこに!」
私が指をさして先生に言いましたが、目を向けるともうそこには何もいませんでした。
私だけにしか見えていなかった、白いワンピースの長い髪の女の人。
先生が合流してくれた安心感から、私は力が抜けてしまい、自分で立てなくなってしまいました。恐怖のあまり止まらない涙のなか、先生におぶってもらい、みんなでゴールまで歩きました。
先生が来てくれたこともあり、元の道に戻ることが出来た私たち。私は先生におぶってもらったまま、ゴールまで一緒に歩いていきました。
ゴールに着くと、もう皆は既にゴールしていました。
とんだ災難でしたね。