タクシーに乗る女
投稿者:ソイピッピ (4)
短編
2023/02/13
23:55
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父の知人の話です。
タクシーの運転手が道端で女の人をのせました。
どこまでですか? そこの角を曲がって、まっすぐ、
そこ左、言われた通りに進んで行ってもなかなか、行き先を言いません。
酔っ払っているんだろう。
言われた通りに行くうちに砂利道、見知らぬ景色、
進めど進めど目的地にたどり着かなくイライラし始めた頃、家が見えて来ました。ここで降ろして下さい。
スッと立ち上がってタクシーを降りて家に入っていきました。タクシー料金を貰おうと玄関へ、
すみません。娘さん乗せて来たんですが、タクシー料金
貰っていないので、お支払お願いします。
家の人は○○と大声をあげています。本当に娘が来たんですか? たった今ここで降ろした所です。
お父さん、お父さん。母親が叫ぶ。
タクシー料金はお払いします。
又、来たかぁー。と父親が言う。
実は娘はもうこの世にいないんです。
エッと思ったタクシーの運転手は、話を聞きます。
実は、雪の振る日に病気で亡くなったのですが、
家に戻りたかったのか?
こんな事が何回もあるんです。
今回が初めてでは無いんです。
ビックリした運転手は車に戻りシートを見ると
ビシャビシャに濡れていました。
その場所には雪の降る夜に白着物の女がいると
言われていました。
その後、お払いしてもらったそうです。
ただ、運転手は恐怖からタクシーを辞めました。
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娘さん、よっぽど家に帰りたかったのでしょう。