親戚の別荘
投稿者:二葉 (2)
私の親戚は、Y県に別荘を持っています。
と言ってもそんなに大層なものではなく、ちょっと広いだけの普通の一軒家です。
亡くなったお母さんから相続したようですが、その親戚は既にマイホームを持っているので、別荘にするまでは扱いに困っていました。
ですが6年前、『古い家をリフォームしよう』みたいな番組を見て、『あ、そうだあの家別荘にしよう』と思いついたそうです。
そして親戚はお金にも困っていなかったので、すぐに家を改築・清掃し、別荘にしました。
私は隣県に住んでいたので手伝いに駆り出され、そのお礼として『定期的に掃除してくれれば、いつでも来ていいよ』と言われました。
なので私は、一昨年の冬休みに親戚の許可を得て、何人かの友達とこの別荘に訪れました。
初日はみんなで別荘中の掃除をし、荷解きをして就寝しました。
そして翌日。
「なんかさぁ、この家となりのト◯ロに出てくる家みたいだよね」
「あー、でしょでしょ」
「もしかして、幽霊とか出たり…する?」
「出ないよ。最初の家主は病院で死んでるし」
「マジ?心霊写真の一枚でも撮れたら面白いのにな〜」
「言っとくけど、ここにはス◯ワタリもト◯ロもいないからね」
「いたらいたで怖いわwww」
「それな〜www」
私達がキッチンで談笑していると、遅れて起きてきたもう1人の友人が、階段を降りて来ました。
「おはよ…」
「おはよう、ス◯ワタリ出た?」
「だから出るわけないっつの!」
「変な夢は見たけど、ス◯ワタリはいなかったよ」
「変な夢って何?悪夢?」
「ん〜…覚えてない」
「なぁんだ」
「いいから朝ごはんにしよう。コンビニでサンドイッチと飲み物買って来たよ」
「はーい」
その後私達は、観光したりお土産屋さんを覗いたりして、楽しく過ごしました。
…と、ここで終わればただ旅行の楽しいお話なのですが。
残念ながら、この旅行の結末は、とても恐ろしいものになってしまったのです。
その別荘での出来事を親戚に話したですか?
笑われてしまいました。
後日談になりますが、2年後、火の気のないその別荘で火事が発生したそうです。
と言っても、小火だったらしいのですが…