ご利益の後に待っていたもの

あるパワースポットへ行った時の事です。そこは霊験あらたかな神社で、神秘的な雰囲気と共にマイナスイオンも沢山浴び、心身ともにすっかり浄化された感じになり非常に良い気分でした。

引いたおみくじは滅多に出ない大大吉。大吉の上を行くものが出て、いよいよ運気は上向きだと思いました。現に、その日の帰り道は空に虹がかかっており、私の明るい未来を照らし出しているようでした。

しかし運が良かったのはそこまでです。次の日、職場に嫌な新入社員が入って来ました。嫌味っぽく、何かに付けて反発して来ます。しかし外面は良く上司には媚びを売って上手く取りいっており、私ばかりが割を食う始末です。

昨日まではあれ程運気が良かったのに、おみくじだって大大吉で虹も出ていたのに、と理不尽な現実を呪っていたら、ふと同僚の話し声が聞こえて来ました。「人生山あり谷ありよ」その時気付きました。昨日までの山が高すぎたのだと。きっとパワースポットが強力ゆえ、必要以上にその時だけはご利益があったのです。

しかしその反動も当然あります。人生はプラマイゼロと言いますがあまりプラスばかりを欲しがるのも良くないと感じました。
ご利益を受け取るには同じだけの不幸も受け取らないといけない。パワースポットに頼り過ぎるのも良くないと学んだ出来事でした。