留守番していたら
投稿者:ぴ (414)
まだ小さい頃、家で留守番していたときでした。
急に隣の部屋で物音がして、私はなんとなく気になって部屋を確認しました。
そこは弟の部屋でした。
弟は数年前に亡くなっています。
赤ちゃんの頃から体が弱くて、3歳くらいから入院するようになりました。
母は付きっ切りになってお世話をしたけど、弟は残念ながら帰らぬ人となったのです。
弟の部屋に入ると、何が落ちたのか確認しようとしました。物音の原因を探ったのです。
そしたら急に服を引っ張られて、振り向いたらそこに弟がいました。
その弟が「お姉ちゃん遊んで」っていうのです。
私は弟が生き返ったと思い、喜んで遊んであげました。
両親が帰ってきたら喜ぶと思ったし、今まで体が弱いせいで遊んであげられなかった分、いっぱい遊んであげようと思ったのです。
弟とはその後、一緒におままごとをしたり、人形遊びをしたり、持っていたブロックでいろんなものを作って遊びました。
弟はとても嬉しそうで、私も嬉しくなりました。
そうして両親が車で帰ってきた音がして、私は弟に「パパとママ帰ってくるよ」と言いました。
そしたら弟はなぜかとても寂しそうな顔をしたのです。
父と母が帰ってきて、私はすぐに玄関に飛んでいきました。
そしてカギを開けて入ってきた両親に抱きつきました。
留守番ができたことと弟と遊んであげたことを自慢したくって、さっきまでいた弟を探しました。
でも弟は、弟の部屋にも私の部屋にも、ほかの部屋にもどこにもいませんでした。
ただ、弟の部屋に、私たちがその日遊んだお人形や、ブロックがありました。
私は今も、あの出来事は夢じゃないと思います。
だって夢だったら、人形やブロックが私の部屋から弟の部屋に移動するわけがないのです。
生きている間に姉らしいことを何もしてあげられなかったので、あの日弟と遊んであげられて良かったです。
今も、あの日の出来事は弟といっぱい遊んだ特別な思い出だと思っています。
ぴさんは毎日すごい数を投稿されて、もう300件以上ですよね。いったいどこからそんなにたくさんネタを持ってくるんでしょう?ネタの宝庫ですね。今までの中で代表作と呼べるものとかはありますか??読みたいです。