看護師の夜勤勤務

妹から聞いた話です。
彼女の友人に看護師の人がいるのですが、やはり病院というのは、不思議な出来事が多いらしいです。特に夜勤の時など、誰もいないはずの病室からナースコールが入ったり、数日前に亡くなったはずの患者さんとラウンド中に出くわしたり、とそのテの話に事欠かないようです。

その病院のトイレの個室ドアは、患者さんの安全のため（急に気分が悪くなって倒れるなど不測の事態をより早く発見する等）、下側が広く空いており、便座に腰掛けている足首から脛くらいまでが外から見えるようになっています。
その友人が夜勤の時、トイレに行くと五つある個室の一つに必ず誰かが入っているそうです。
最初は、とくに気にしませんでしたが、夜勤中にそのトイレに行くと、必ず同じ個室に誰かが入っていて、いくら耳をすまして様子を見てみても、人が入っている気配は一切ないのですが、足だけは見えていて、それは今も続いているそうです。

他の看護師さんも、そのトイレを使いますが、そんなのは見たことがない、と言います。
「まあ、やっぱりアレ、だよね」と友人は苦笑気味でそう言うので、「怖くないの？」と妹が聞くと、「もう慣れたもん、ああ、またいるって感じ。流石に中を覗こうとは思わないけど」だそうです。

私と妹は、『人には見えないものが見える』体質ですが、妹の方がより敏感です。
「確かめに行ってあげれば？」と言うと、「イヤだよ、怖いし面倒だもん、なんなら兄ちゃんが行けば？」と、返されました。
もちろん私だってわざわざお近づきになろうとは思いません。
つくづく看護師さんって度胸が据わっているな、と思う次第です。