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心霊

ぴさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ちょうだいという声
短編 2022/12/22 17:04 970view
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私は以前、仕事中の事故で、指を切断しました。

その後しばらく仕事ができなくなって、家に引きこもりました。

家に籠っていたらどんどん気持ちが塞いでしまって、落ち込みます。

そんな落ち込んだ日によく聞こえてくる声があったのです。

その声はいつも「ちょうだい」と私の何かを欲しがります。

私がお味噌汁を飲んでいると、「お味噌汁ちょうだい」、私がタオルで顔を拭いていると「タオルちょうだい」なんて聞こえます。

この幻聴はずいぶん酷く、うんざりしていました。

でもある日私がお風呂に入っているときに、ふいに「足ちょうだい」という不気味な声が聞こえたのです。

いつもの可愛らしい子供の声ではなく、低い男の人の声でした。

私はいつもの幻聴だと気にも留めていませんでした。

だけど次の瞬間、私はいつの間にか足元に落ちていた石鹸に躓いて、お風呂で盛大に滑って転んでしまいました。

そしてその拍子に、すごく強い痛みが足を駆け巡りました。

こうして運悪く足の骨が折れてしまったのでした。

その後、折れた足の治療の為に入院した際、私は思い出しました。

確か仕事をしている途中にも、この声は聞こえたのです。

そして頑張って記憶をたどり、何を要求されたのかを思い出しました。

そのときは「指ちょうだい」という声がきこえたのでした。

思い出したときは戦慄しました。

声が原因だったことに気づいたからです。

すぐに私はお寺でお祓いをしてもらい、その後あの声は聞こえなくなりました。

ちょうだいというあの低い男の人の声は今思い出しても震えそうになります。

あの声が聞こえなくなって、本当に良かったと思いました。

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コメント(1)
  • 最終的に「命ちょうだい」と言われる前にお祓いして良かったですね。

    2022/12/22/21:38

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