親父じゃない誰か
投稿者:satohiroshi (10)
短編
2021/02/25
16:12
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大学生の頃、親父が胃がんで死んだ
葬式や相続の手続きが続いて、とにかくクタクタだった
ふと部屋で半分寝てるような状態になって、ふと気が付くと部屋の外に気配がする
音にならない足音みたいなそんな気配
その気配がなんとなく親父っぽくて、なんか嬉しくなってきてさ
とにかく疲れてたのもあって、外の気配に向かって
「俺も親父についていっちゃおうかなあ」
と言ってみた
外の気配はなんだか喜んでるような感じがして、俺も段々その気になってきた
でもやっぱりお袋を残して俺まで居なくなるわけにはいかないと思って
「やっぱりお袋を残していけないから止めとくよ」
て言ったんだ
そしたら外から
「え?やめんの?」
て親父と全然違う声が聞こえてきて、その瞬間飛び起きた
夢だったとは思うけど、その声が響いてる正にその時に目が覚めたから、現実でも耳に残ってて冷や汗が吹き出した
何が親父になりすましてたんだろう
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