私と猫と姉
投稿者:take (96)
私が高校生の時の話です。
幼少の頃から霊感ぽいものがあったのですが、その頃は特に強くなっていました。
自室で眠っていた私は何ともいえない嫌な気配と、猫の鳴き声で目が覚めました。
一緒に寝ていた猫がドアの前で、耳を横に寝かせ全身の毛を逆立てています。
『部屋の前にナニかいる』と、私は感じました。
猫が威嚇の声を上げると、そのナニかは驚いたように離れてました。
そして今度は姉の部屋の方へ移動して行きます。
まずいな、と飛び起きて部屋のドアを開けると、猫は脱兎の如く飛び出して行きます。
姉の部屋の前にモヤモヤとした人影みたいなものが見えました。
猫がそれにとびかからんばかりに『シャアアアア!』と激怒しました。
すると、そのナニかはすっと消え失せました。
「よしよし、大丈夫、もういなくなったよ」
まだ警戒している猫を撫でて落ち着かせていると、姉が顔を出しました。
「なに、アンタまだ起きてたの?」
大学生の姉は課題のレポートがあり、まだ起きていたようです。
「ナナ(猫の名前)が僕の部屋にいたんだけど……姉ちゃんのところに行きたいんじゃない?」
そう言って抱き上げた猫を渡すと、「ああ、そうなの、じゃあ一緒に勉強しようねー」と、姉は上機嫌で言いました。
姉が猫を抱いて部屋に入ったあと、しばらく様子を見ましたが、嫌な気配は感じられず、家から出ていったようです。
猫ってやっぱり『見える』んだなあ、と思った出来事でした。
飼い猫が追い払ってくれたんですね。