バスでの出来事
投稿者:ギーぺ (8)
短編
2022/12/03
14:49
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自分が初めて一人暮らしをし始めて、予備校に通っていた時のことです。予備校までは毎日のようにバスに乗っていました。いつも大体同じ時間に乗っていたので顔見知りの乗客もたくさんいるのですが、初老くらいのおじいさんといつも一緒になったことを覚えています。そのおじいさんは何故かいつも自分のことを凝視していたので、彼に対してはずっとモヤモヤと、気持ち悪い感情を抱いていました。
ずっと無視していたのですが、自分の機嫌がちょっと悪かった時、おじいさんに見られることがことさら苛立って、それで逆に、視線をわざと合わせる行動をとってしまいました。
予備校までの道のりは大体20分くらいあるのですが、その間本能的に視線を逸らしたらまずいと思い、おじいさんの目を見続けていました。やっと降りる停留所に到着したので、おじいさんの近くを通り過ぎ、降りようとしたその時です。
何とおじいさんが自分に対してこう呟きました。「俺のこと見えるの?」と。それを聞いて背筋が凍る感情を抱いてしまいました。おそらく自分のことをずっと見ていたのは霊だったのだと思います。それ以来、バスに乗るのがちょっと怖くなり自転車通学に切り替えました。本当に、あの時のことを思い出すと身の毛もよだつ思いです。
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怖すぎる。