いつも会うお婆さん
投稿者:ギーぺ (8)
短編
2022/12/02
15:12
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昔、自宅から駅までのルートで必ず通る道があるのですが、そこで不思議な出来事に遭遇しました。
とある住宅街で建設予定地になっている空き地がありました。その前を通るとすごく気さくな感じのおばあさんが突然挨拶してきました。知らない人だったので、「ちょっと怖いな」と思い、軽く会釈をして通り過ぎました。
その後も、同じ時間にその道を通ると、おばあさんが何度も自分に挨拶をしてくるのです。しかも、何故か自分だけに挨拶してくるので、どんどん不安な気持ちが募りました。
ある日、ちょっと気になったので、勇気を出しておばあさんと会話をしてみようと始めて声をかけました。「どうして、いつも自分だけに挨拶するのですか?」と話するとおばあさんの顔がいきなり真顔になり、無言のままそそくさと行ってしまいました。「何か気の触るようなことを言ったかな」と後ろを振り返ったら誰もいなくて本当に冷や汗が出ました。
次の日も、駅に行くにはその道を通らなくてはいけなかったので、嫌な気持ちを抱えながら通ったのですが、おばあさんは現れませんでした。
少しして、建設予定地の空き地に工事の業者が入り、新しく家が建つことが明らかになりました。ずっと出てきていたおばあさんはその土地と何か関係があるのかと自分を納得させましたが、真実は分かりません。
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