祖父の声
投稿者:ぴ (414)
私の祖父は孫に激甘で、おそらくひ孫の顔も誰よりも見たかったと思います。
ただ私の結婚が遅かったせいで、ひ孫の顔を見ることなく、逝ってしまいました。
私の子供ができたとき、なんとなくですが祖父の声が聞こえてきたような気がしていました。
「可愛いなぁ可愛いなぁ」って、とても甘々な声で言っている祖父の声が聞こえてきました。
ずっと見守ってくれているんだろうなとは思っていたのです。
それを確信する出来事がありました。
あの日私は息子をママチャリに乗せて、自転車を漕いでいました。
保育園に連れていくために急カーブを曲がろうとしたあたりで、「待て止まれ!」っていう厳しめの祖父の声が聞こえたのです。
思わず私が反射的に急ブレーキして自転車を止めたら、すぐ前方でドガーンという何かがぶつかるような音が聞こえました。
あまりの音にびっくりして、私は自転車から降りて、ママチャリを押しながら、おそるおそる曲がり角から顔を出しました。
そしたらすぐ前でトラックが衝突事故を起こしていたのです。
びっくりしてすぐに救急車に連絡して、がくがく震えてました。
私は寸前で自転車を止めたので良かったのですが、あの距離だときっとあのまま進んでいたらこの交通事故に間違いなく巻き込まれていただろうと思います。
あのときに私を止めてくれた声は間違いなくよく知っている祖父のものでした。
祖父に守ってもらったおかげで私たちは無事に無傷で家に帰ることができました。
きっと祖父は亡くなってもずっと私たちを近くで見守ってくれているのだろうなと思っています。
そして守ってくれた祖父に感謝しました。
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