変わってしまった曾祖母
投稿者:いももち (40)
私の曾祖母のお話です。
曾祖母はあまり裕福ではない農家の三姉妹の末っ子で、跡継ぎの男の子を期待していた家族からは冷たく当たられていたそうです。
結婚してからも旦那さんを戦争で亡くし、女手ひとつで子どもを育てるなど大変な苦労をしてきたそうです。
そんな曾祖母は私が赤ちゃんの頃は大層可愛がってくれたそうなのですが、私が育っていくうちに様子が変わっていきました。
ざっと書き出すと
・子ども部屋で遊んでいると扉の隙間から睨みつけてくる
・「お前の母親はろくな者じゃない」「お前だってどこの子どもか知れたものじゃないんだ」と私に言い聞かせる
・私のぬいぐるみを勝手に持ち出し、返して!と言うと大声で泣き真似をはじめる
・ゲームをしていて「(操作しているキャラが)死んだ!」と言うと「私にむかって死ねと言っただろう!!」と怒鳴り込んでくる
・小学校低学年の私に梅酒を飲ませ「梅ジュースと間違えた、お前の母の置き方が悪いせいだ」と平気で言う
(ラベルとキャップに”梅酒” “梅ジュース”と書き、梅酒は手の届かない棚にしまっていたのに……)
大人になった今なら認知症の症状だと理解できますし、冷遇されていた曾祖母自身と私を比べて辛くあたっていたのかな~と思えますが、当時はただただ恐怖でした。
極めつけの出来事がありました。
両親と私たち兄弟は2階、祖父母と曾祖母は1階で寝起きしていたのですが、ある夜曾祖母の絶叫で目が覚めました。
部屋から出ないよう両親に言われ、怖くて泣きながら眠りました。
後で聞いたところ、夜中に曾祖父の位牌を持ち出しガスコンロで家に火をつけようとしたが使い方がわからず苛立っているところを祖父母が発見。
問い詰めると興奮して「曾孫たちをくびってやる!!」と2階にあがろうとしていたそうです。
この事がきっかけで曾祖母は施設に入りました。
たまに面会に行くよう言われましたが、私はほとんど行くことはありませんでした。
そのほうがお互いに良いと思ったからです。
ずいぶん前に曾祖母は亡くなりましたが、あちらの世界では穏やかに過ごせますようにと仏壇に手をあわせて祈っています。
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