心の表と裏
投稿者:りー (118)
私が高校生の頃です。
当時私は吹奏楽部に入っており、コンクールに向けて日々練習に励んでいました。この吹奏楽部は所謂強豪で毎年コンクールで優勝ないし準優勝しており部員も皆ハイレベルです。
その中で出場出来る部員は一握りで皆ライバルでした。
ある日コンクールに出場する生徒が数名選出されました。私は然程上手くも無かったので正直選ばれないと思っていました。
しかし、何と私が選ばれたのです。嬉しさより驚きが勝って自分に務まるのかと不安がっていたら同級生のA子が「おめでとう、絶対貴方が選ばれると思ってた。次のコンクールは優勝できるよ」と励ましてくれました。
心強くなり私はその日から必死に練習していましたが、ある日聞いてしまいました。
早めに部室に赴いた日の事、中からA子の声で「何であいつが選ばれるの?絶対私の方が上手いのに。悔しいから顧問にあいつのネガキャンしといたよ」と聞こえて来ました。通りで最近顧問の私への当たりがきつくなったと思いました。
コンクールに向けて厳しくなるのは当然だと思っていましたがそれにA子が一枚嚙んでいたのです。最初は私の選出を喜ぶふりをして裏ではこき下ろしていたと言うA子の二面性を垣間見てゾッとしました。
それ以降もA子は私の前では味方のふりをして励ましてくれましたが裏を知った私は励まされる度に不気味なものしか感じません。
コンクールは準優勝で悔しくて泣いていたらA子が一瞬「いい気味」と言う顔をしたのを私は見逃しませんでした。
人の心程恐ろしいものは無いと感じた出来事でした。
人の裏の顔は本当に恐ろしい……。
でも結局全国2位のバンドメンバーは貴方であり、二枚舌のお友達ではない。おめでとう。よく頑張った。