私の記憶にしかない友達
投稿者:ぴ (414)
幼い頃、家の近所にあるお墓で遊んでいる子供たちを見かけました。
お墓のところでしいのみを拾ったり、おはじきみたいなもので遊んだりして楽しそうにワイワイしているのです。
あまりに楽しそうなので、何度か近所の友達を誘ってその子たちに合流して遊んだことがあります。
すごく楽しくて、私はその子たちとすごく仲良くなりました。
男の子はキチとヨシロウ、女の子はワカナとサエと言いました。
私はたまにこの4人と一緒にしいのみ拾いをして数を競って遊んだこともあるのです。
しかし成長するにつれて、だんだんその子たちを見かけることが減っていきました。
最後に会った日はなぜかまるで最後の別れを知っていたように、拾ったしいのみを手の平いっぱいに渡されました。
そしてその日を最後にぜんぜん会わなくなったのです。
そして昔近所で遊んでいた友達に聞いてみても、お墓で遊ぶ子供なんていなかったと気味悪がられます。
それにしいのみを拾ったときだってそんな子いなくて、私と近所の子数人だけだったというのです。
私と明らかに記憶違いを起こしているのです。
私は今もあのお墓の近くで遊んでいた友達に会いたいです。
だけど、同時になんとなくもう会えないことを察している自分もいます。
私は幼い頃、よく不思議なものが見えると家族を脅かしていたらしいです。
もしや私の記憶にしかないお墓で遊ぶ子供たちも、その類だったのかもしれないです。
遊んでくれ成仏したのか 成長と共に見えなくなると察したのでしょうか。