双子の姉妹

私の幼馴染に双子の姉妹がいました。

それが本当に似てない姉妹で、姉は目がくりんとしてとても可愛らしい顔をしていました。

けれど妹は姉に少しも似ていないお世辞にも可愛いとは言えないような不細工な容姿でした。

いつも二人は比べられていたし、見ていて可哀想と思ったことは一度や二度ではありません。

私も顔には自信がなかったので、双子の妹の気持ちがよく分かりました。

そんなときに双子の姉が川遊び中に不運にも溺れて亡くなったという話を聞いたのでした。

双子の姉がいなくなって、双子の妹はみるみる元気をなくすどころか元気になっていきました。

とても姉を亡くしたと思えないくらい晴れやかになったし、姉がいなくなって自分ひとりになったことで、

親の愛情も傾いたのでしょう。幸せそうに笑うようになりました。

こうして成長とともに、私がじわりじわりと恐怖を抱いたことがあります。

それは双子の妹の顔が少しずつ姉に似てきたことでした。

整形をするような突然の変貌ではなく、少しずつじわじわと顔が変わっていったように思います。

中学生に入学する頃には、不細工だった双子の妹は学校で一番の美人だと持てはやされるようになりました。

昔はぜんぜん違う顔だったのにこんなに顔が変わることってあるのかと私は心から不思議に思いました。

同じ遺伝子だからという理由もあるかも分からないけど、それにしても顔が変わりすぎだと思います。

まるで双子の姉が成長したら、きっとこの姿になっただろうと想像できるほどに瓜二つなのも怖かったです。

こうして大人になり、その子のことを忘れかけた頃に私は驚くべきニュースを聞きました。

双子の姉は川で亡くなりましたが、双子の妹も同じく川でバーベキュー中に心臓発作で亡くなったと聞きました。

まだ若かったのに…と私の母は悲しんでおり、私は驚愕しました。

何の因果なのか二人とも同じ川で亡くなったと聞いたからです。

幼馴染の死に胸が痛みましたが、それ以上に何か奇妙な違和感と大きな恐怖を感じました。

あの二人の死は本当に事故や病死なのでしょうか。

どうしても疑惑を持ってしまうのです。