寄ってくる

私が小学生の時に体験した話です。

友達と昼休みの時間に輪を作り、怖い話をするのが流行っていた時期がありました。夏の時期だったので、テレビ番組などでも怖い話や不思議な話が特集されており家族で見た話しを友達に話すような感じです。

皆が自分の話を一番に聞いて欲しくて、当時は楽しみながら話をしていました。

友達の中に一人、霊感が強い（幽霊をよくみると本人はいっていた）子がいました。

みんながその子の話を聞くのが楽しみで、その日もいつものようにその子を中心に輪になり怖い話をし始めました。

たまたまその日は、私がその子の隣になりみんなの話を聞いていた時です。

突然、自分の片側だけの肩に何かがのっている感覚に襲われました。

誰かが手を肩に乗せている…そんな感覚です。周りを見渡しますが、壁を背にして座ったいたので当然後ろには誰もいません。両隣も確認しますが、誰かが手を回している様子もありません。

おかしいな？と思い話の続きを聞いていると予鈴がなり、怖い話を聞く会はそこでお終いになりました。みんなが自分のクラスに帰り始めたので、私も行かないとその場を去ろうとした時に霊感がある子が私の顔を見て一言いいました。

「肩に手を置かれてたね。怖い話すると寄ってくるから気をつけてね。」

その子は笑顔でクラスに戻って行きました。

あの時そこに居たのは友達だけだったのでしょうか。

大人になった今でも分かりません。