狐のお面をかぶった白装束の女の子
投稿者:ぴ (414)
私がこれに気付いたのは、偶然のことでした。でも気づかなかったらどうなっていたんだろうとちょっとだけ怖くなることがあります。
知らず知らずの内に、私たちは良くない場所に招かれていたのかもしれません。あの不思議な場所で、私と友達は見てはいけないものを見てしまったのです。
修学旅行で私たちはいろんな建造物を見学しました。その中の一つに不思議な神社があったのです。後日調べても何も出てきませんでした。
引率の先生に連れられてやってきた場所でしたが、今思い出そうとしてもそれがどこにあったのかどうしても思い出せません。
一度大人になってから記憶を頼りに探してみたことがありましたが何日探しても見つからなかったです。
しかし、現実にその神社はあり、私たちクラスメイトはみんなその神社に参拝したのです。それはとても静かで、寂しい雰囲気のある神社でした。
私と友達は同じ班だったこともあり、一緒に行動していました。
みんなが見ていない隙に神社の手水舎の水を飲んだり、こっそり持ってきたインスタントカメラで観光スポットのように神社の写真をパシャパシャ撮ったりしてやりたい放題していました。
あの頃は怖いもの知らずだったと思います。
振り返ってみて、よくあんなことができたものだと思うくらいです。若気の至りだったのだと思います。
神社の入り口には鳥居があり、そこを通り抜けると上が見えないくらい長い階段がありました。
そこをみんなで登っていき、登り切ると参拝する神社が見えてくるのです。
階段の上には思ったよりも広い敷地があり、そこの中にご利益がありそうな立派な御神木やちょろちょろと水が流れる手水舎、参拝する神様を祭る場所がありました。
引率の先生についてぞろぞろと私たちクラスメイトはその神社でお参りしたのです。
友達といろいろと見回っている中で、私はふと「シャラーン」という鈴の音のような綺麗な音を聞いた気がしました。
「何か聞こえない?」と友達に聞いたら「聞こえた」と友達も頷いており、つい好奇心がくすぐられました。
そして参拝に並ぶ列から外れて私たちはその音のほうへと歩いていってしまったのです。
そこは神社の裏側みたいな場所で、入り組んでいてかくれんぼなんかしたら一生見つからないのではないかと不安になるような場所でした。
私はそこで、ぎくっとしました。
だって人が、着物を着た小さな女の子が走っていく姿を目にしたからです。
え?て思いました。だって私たちはみんな中学生で、小さな女の子の同行者などいませんでした。
でも先ほど目にしたのは明らかに小さな子供の姿で、私と友達はその子供を目撃してしまったのです。
私は慌てて目の前で走っていった子供を追いかけようとしました。
だけど、ぎゅっと引き止められたのです。友達が強い力で私を引っ張って、「先生を呼ぼう」と言いました。
私は走っていった子供が気になって気になって、友達に「私探すから先生呼んできて」とお願いしたのです。
もともと好奇心旺盛なタイプでしたので、私は気になるその子を探そうとしました。
だけど、友達は益々手に力を込めてぎゅうと握りました。その力があまりに強くて、驚きました。
普段はもっと冗談とかいうタイプなのに、その時の友達はなんだか顔面蒼白で、私を引き留める手を離してはくれませんでした。
その後、先生を連れてきてそのあたりを探したけど、結局私たちが見た小さな女の子は見つからなかったです。
勝手な行動したことを先生に怒られ、しぶしぶと私たちはその神社を後にしたのでした。
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