私を悩ます夜中のなき声

1年程前のことなのですが、3日くらい外から聞こえてくるなき声に悩まされたことがありました。

私は夜型人間なのですが、深夜に布団に入ると家の外から不思議ななき声が聞こえてきたのです。

それは赤ちゃんが泣き喚く声にも聞こえるし、はたまた猫が鳴いている声にも聞こえました。

最初に聞いたときはしばらくどっちの声なのか分からなくてもやもやして、眠ることに集中できなかったです。

そして不思議なのが、ご近所さんに尋ねてみたけど、近くに赤ちゃんのいる家族もいなければ猫を飼っている家もなかったことなのです。

あんなにも煩かったのに、私以外にこの声を聞いた人がいないことも不気味でした。

そして3日目の夜、私は意を決してこの鳴き声の出所を確認しようと思いました。

声が聞こえてきた瞬間にすぐさま家を飛び出して、声が聞こえる方を探し歩きました。

その声を追いかけていく途中で気づいてしまったのです。その場所が家から一番近くの墓地だということに。

私は変なところで正義感があるせいで、墓地の中にまで足を踏み入れました。

もし赤ちゃんでも捨てられていたらと考えてしまうとどうしても気になってしょうがなくなりました。

そして墓地の隅っこで茶色のダンボールを発見したのです。

私は捨て猫だったのかとほっとし、ダンボールを開けたのです。

そして叫び声を上げました。

だってその中は血みどろで、何か獣に襲われたような無残な猫の死骸があったからなのです。

あまりに酷い状態で、死んでいることは一目瞭然でした。

そっとダンボールを閉め、ひとまず持ち上げようとしたらこのダンボールがガタガタガタガタっと揺れだして、私は心臓が止まるかと思うくらいびびりました。

もう一度確認してもそれは死骸でしかなく、私はぶるっと震えてダンボールを置き去りにして逃げ帰りました。

後日埋めてあげたのですが、今考えても背筋が寒くなる出来事でした。

私が聞いていたあの鳴き声はおそらくこの猫の魂だったのだと思います。

きっと早く見つけて弔ってほしかったのだと思います。

ものすごく怖かったけど、早く見つけてあげられて良かったと思いました。