ホラー番組から憑いてきた？

これは私が高校生の頃家族で祖母の家に行き実際に体験した話です。

家族は皆霊感があり、私は大人になってからは直接的には見ることはなくなりましたが、幼いころはよく祖母の家で幽霊を見ていました。

だいたい祖母の家に行ったときは夕食を食べ20時には帰るのですが、その日は偶然20時ころテレビでホラー番組がやっていてついつい皆で見てしまいました。

興味本位から見てしまい後に後悔することになりました。

その番組では水泳帽の男の子の幽霊の話を放送していて、怖いなと思いつつ最後まで見てしまい21時を過ぎたので帰ることにしました。

家に帰る途中いつもよく話す母が妙にシンとしていて眠たいだけかなと思い気にせずにいました。

無事に帰ってきたのはいいのですが、車を出たら父が急に悲鳴を上げました。

何事かと思い外に出たら車のフロントガラスの上部に手形が付いていました。

洗車などをしたときに付いたのかと思ったのですが、よく見ると明らかに子供の手形だったのです。

それもその手の向きがどうやら車の上に乗りまるで私たちを見下ろしているかのように下向きに付いていたのです。

正面からではどうしてもその向きにならず、上から登って覗いて付けないと付かない位置でした。

なぜか私はその手形に自分の手を合わせようと思い合わせかけました。

しかし合わせかけた途端急にその手形に吸い込まれるような感覚になり、父と母に「何してるんだ！」と怒られハッと我に返り止めました。

今でもあの時の感覚は覚えています。まるでその手形の中に引き込まれるような、意識が乗っ取られるような。

今思えばなぜあのようなことをしようと思ったのかは分かりません。

父は持っていた雑巾でその手形を拭いたのですが、どれだけ拭いてもなぜか取れませんでした。

ちょうどガソリンが少なくなっていたこともあり、翌朝ガソリンスタンドに行き洗剤で窓を拭いてもらうことにしました。

家に入り母がぼそぼそと話し始めました。なぜあの時車の中で母が妙に静かだったのかを。

あのテレビを見てから車に乗りしばらくすると足元に違和感を感じたみたいです。

誰かにずっと掴まれているような。怖いなと思いつつ足元を見ると男の子が足を掴みずっと母の顔を見上げていたそうです。

その恐怖から無言になっていたみたいです。

その番組が小さい男の子の話だったので、周りにいた幽霊が同調したのかもしくはその話の子だったのかは分かりませんが。

特にそれから怖いこともなく、翌朝父はガソリンスタンドに行きその手形を拭いてもらいました。

あの夜は取れなかったのですが、朝だからでしょうか。洗剤でしっかりと取れていました。

それからその一緒についてきた男の子の霊はどうなったかは分かりません。

ただ昔から怖い話をすると周りにいる霊が寄ってくるという話は本当かもしれませんね。