戦国武将の墓で見たもの
投稿者:Sennogi (6)
短編
2022/05/03
23:11
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兵庫県三木市にある、戦国武将竹中半兵衛の墓。三木城攻めの最中に病没したため、墓地は同地に建てられた。
現在、といっても行ったのは10年ほど前だが、墓の辺りは平野で原っぱが広がっており、人気は昼でも少なかった。
ある晩に友人らと4人で肝試しをしようということで、車で半兵衛の墓を目指した。
車中では怖い話をして盛り上がりつつも、徐々に町明かりが消えていく景色に薄気味悪さを感じていた。
カーナビで指定の道を行くものの薄暗いので分かりにくい。いつしか誰も喋らなくなり、車中は張り詰めた空気になっていた。
徐々に少なくなっていく街灯はついになくなる。徐行しつつ車を進めていると、「着きました」と唐突な機械的な音声。
一同驚愕したが・・・ナビの音声だった。皆向ける注意を真っ暗な風景に取られてしまい、ナビを忘れてしまっていたのだ。
車のエンジンを切り、ライトを消して車を降りる。辺りは真っ暗。一気に恐怖感が俺たちを襲う。
目が慣れてくると、かすかに草原らしき風景が確認できた。草原のシルエットがこれまた不気味。
さて、墓を探すため、歩道らしき道を辿って歩き始めるがなかなか見つからない。
その間、「こっちか?」「見えん…」など皆ブツブツ呟いていた。恐怖心を紛らわすためだろう。
と、唐突に1人がごく普通の声量で「つきました」と呟き、いきなりケラケラ笑い出した。
俺たち皆ビックリ。大慌てで車まで戻った。
後から聞いたら記憶がないらしい。
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