亡くなる直前の止まらないコール
投稿者:ジュリー (62)
短編
2022/04/26
17:23
1,038view
今から数年前、私が介護職をしていた頃の話です。
高齢者が亡くなることが日常茶飯事だった認知症患者の施設でですが、看取りの際に怖い話は聞いたことがありませんでした。
しかし、その日は夜間に亡くなった患者の対応をした同僚の顔がやけに青ざめていました。
何があったのか話を聞くと、ついに入社5年目で怖い体験をしたと同僚が話します。
彼女が夜勤をしていた際、もうその患者さんは危篤で息をしているのがやっとでした。
当然コールを押せるはずがないのですが、亡くなる数分前ぐらいからコールが鳴りだしたのです。
切って確認をしても本人はベッドに横たわっているだけ。
その確認後からまた数秒後にコールがあり、切っても切っても止まらないそうです。
亡くなる1分前ぐらいまでコールは断続的に鳴り、息を引き取るとほぼ同時にコールも消えたそうです。
その患者さんは生前から同僚のことを嫌っている人でした。
なぜか他の人が通っても大人しい患者さんが、その同僚が通ると怒ってコップを投げてくる。
そんなことが危篤になる前に続いていたのを今でも思い出します。
亡くなる直前、本人が同僚に何か伝えたいことでもあったのか。
それ以降も看取りを経験しましたが、それ以上に怖い体験は聞いたことがありません。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 5票
大変な仕事なのに5年も勤め続けるなんて凄いと思いました。コップ投げてくるやつくたばれー