枕元に現れる少女の姿の意外な正体
投稿者:ジュリー (62)
今から数年前、私が介護職として働いていた時の話です。
私にはもともと霊感がなく、それまで霊を見たという体験をしたことはありませんでした。
しかし、入社して2年目の春ごろ。
私が寝ようと思って布団をかぶった時に掛布団を「とんとん」とノックするような音が聞こえました。
「とんとん」と音が聞こえ、鬱陶しいなと思って耳を塞いでもまた「とんとん」と、断続的に聞こえます。
そのまま寝たようで、起きた時にも覚えていましたが、その時は寝ぼけていたのだと思いました。
しかし、その数日後の夜。
寝ようと思ってもなかなか寝付けず、ふと布団から顔を出した時。
枕元においてあるクッションの前に、暗い影のような少女の姿がありました。
髪はおかっぱ。服は着物のような、ハッキリ見えないような感じでした。
ギョッとなり、恐怖を感じたのですが声を出すことすらできず、そのまま隠れるように布団に入りました。
そしてそのまま寝たか寝ていないか分からないうちに朝になりました。
その日はあまりにも寝不足が酷く、会社を休むことにしました。
数日おきに「とんとん」と掛布団をノックする音と少女の姿が見えるようになり、寝不足が続いた頃。
職場で上司から「その状態で仕事は無理なんじゃないか。」と声をかけられました。
気づけば寝不足が続き、顔もやつれ、10歳以上老けたような形相になっていました。
職場の上層部と話し合いを行い、しばらく休職期間を与えてもらいました。
休職期間の間も寝る時間になるのが怖いと感じ、色んな占いサイトや霊視、お祓いについて調べました。
結局家の近所にある寺に相談をすることになり、休職期間初日に慌てて寺に駆け込みました。
住職さんから、「あなたは最近身内に不幸がありましたか?」と聞かれました。
「いえ、全く。」と言うと、住職はおかしいなという表情になり、こう言いました。
「いやね、あなたの左横ぐらいかな。少し後ろ。お婆さんの霊が憑いているんですよ。」
確かに最近左の首に痛みを感じることがあったため、半ば納得したような思いに。
しかし、肝心のお婆さんについての心当たりが全くありませんでした。
住職からは「お祓いをしますが、たぶん1回だけで離れるとは思いません。そのお婆さんが誰なのか、もう一度考えてみてください。」と言われました。
休職期間ずっとお婆さんについて考えたのですが、何一つヒントを得ることができず、職場に復帰しました。
久々に行った職場に行った時、利用者さんのご家族さんから「久しぶりだね。」と声をかけられました。
そして他愛無い世間話の後、「あ、そうだ。さっきあなたが来る直前にそこにある赤べこの首が勝手に動いたんだよ。」と言われました。
老人ホームの廊下に置いてある赤べこの首が動いたそうですが、誰かが通ったわけでも、風があるわけでもありません。
なんとなく不気味な思いになりながら赤べこの前を通ること数往復。
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