過去の機械音を聞いた話
投稿者:ナナシー (36)
私が大学生の時の実話です。
私は寒い2月に、風邪をこじらせてしまったことから髄膜炎という病気を患ってしまい急遽地元の病院に入院することになりました。
高熱とぼんやりした意識の中で、点滴を打ちながら早く治るか不安を抱きながら一日目の夜を迎えました。
その日はなぜか夜中の12時頃に目が覚めたのですが、病院なのにどこからともなく、遠くの方から大きな機械がガシャンガシャンと音を立てていました。
窓を見ても隣の病棟が見えるだけでただ、その機械の音は不定期に鳴り響いていました。
そしてトイレにも行きたくなり、廊下へ出て用を足しに行きました。
トイレは昔ながらの作りで、入り口が男女共用でした。
手洗い場を超えて、男性側と女性側に分かれていたのですが、今度はトイレに入ると女性側のトイレから人のすすり泣く声が聞こえてきたのです。
換気扇もまわっていたので、初めはその音だと思っていたのですが、聞き入っているとどうも換気扇の音ではなく、はっきりと女性のすすり泣く声に恐怖心が沸いてきました。
私は何とか用を済ませ、自室に戻りましたがまだ機械音は遠くで鳴り響いていました。
ベッドに戻り布団をかぶって夜を過ごしました。
朝が来て巡回の看護師さんに、夜は機械の音でうるさかったと話したのですが、看護師さんは不思議な顔をしていました。
私はお陰様で数日後退院することができましたが、退院後地元の友人にこの話をしたら、病院の建つ以前はその土地で何らかの製造工場があったとのことでした。
更にたまたま友人の母親がその病院で以前看護師をしていて、夜勤時に私と全く同じ体験をしていたことを聞きました。
私自身の高熱や病気由来でのものではなく、この病院での体験は本物だったんだなと思った不思議体験です。
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