短編
2022/03/17
00:16
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昔、友人の家に泊まりに行った時、友人は私用の寝室として和室を用意してくれた。
その和室には大きな三面鏡が置いてあったのだが、閉じられた状態なだけでなく、上から布が被されていた。
「俺が小さい時この鏡に人が映ったのを見たんだけど、それ以来ずっとこうしてんだ」
友人はこう言っていて、そのことに好奇心を抱いた私は友人におやすみを告げて1人になったあと、こっそり鏡を見てみることにした。
布を取って、鏡を開くと、鏡には何も写らなく、真っ黒だった。布を被せるだけでなく、鏡の表面まで黒く染めるとは、友人はよっぽど恐ろしいものが写ったのを見たのだな、と驚きながら、その日は消灯した。
次の日、起きてその話を友人にすると
「流石にそこまでしねえよ。夜だったから黒く見えただけだろ?」
と否定してくるが、夜とは言っても電気をつけた、明るい状態で見たのでそんなはずがない。
「じゃあ見てみろよ」
少し怯えた友人と、私は鏡の元へ向かい、布を取って鏡を開ける。
すると、鏡の表面はまるで屋上から落としたかのように割れていた。
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