架空の友達、箸野箸男
投稿者:レイレサ (64)
親戚のAさんが小学生の頃に体験した不思議な話を紹介しようと思う。
Aさんは上級生と同級生からいじめを受けていた。
下級生とはそれなりに仲が良かったのだが、上級生と同級生からはぼっちであることを馬鹿にされていた。
Aさんは遊び相手がほとんどいないことから、空想をするようになった。
架空の友達を作って頭の中でいろいろ想像していた。
ある日のことだった。
Aさんは下級生に架空の友達の話をしてしまった。
架空の友達の名前は箸野箸男(はしのはしお)という。
実家が箸を製造している工場で箸男には箸子(はしこ)という妹がいる。
そういう話を下級生に話したそうだ。
下級生はAさんの話を黙って聞いていたが、Aさんの置かれている境遇に同情したのか話を合わせるようになっていった。
今日はどこどこで箸男と箸子が遊んでいた、この前は〇〇地区に箸野兄妹を見かけた・・・といったように、架空の友達がどこで何をしていたのかという話を何度かしたという。
Aさんとあまり仲良くない下級生もいたので、Aさんの架空の友達話を馬鹿にしていた人もいた。
その中で少し変わった出来事が起きた。
箸野兄妹を見た!という人が出てきたのだ。
Aさんは一瞬ドキっとした。
彼らは架空の友達であり、実在する人物ではないからだ。
Aさんと仲の良い人が目撃したというのならば、Aさんの話に合わせた可能性は高い。
しかし、箸野兄妹を目撃したのはAさんとは仲があまりよくない人だった。
どこで目撃したのか聞いてみたら、小学校の近くに居たとのことだった。
目撃したのはたった1回だけであり、それ以降は全く見ることはなかったのだという。
Aさんと仲の良い友達は少し寒気がした。
なぜ空想の友達が実在したのだろう、一体なぜ?
しかし、箸野兄妹を見たと言った人はAさんを空想好きの変人とか嘘つきと言いふらすことはなかった。
常識的に考えるとAさんが想像上で作り上げた箸野兄妹の容姿によく似た人を見ただけなのかもしれないが、後になって霊感のある人からこんな話を聞いて少し納得したとのこと。
小学校がある場所はどうも空間的に何か通常のものとは違うらしい。
その周辺が異質らしいが、何かと何かが重なり合ったような感じらしい。
もしかしたらパラレルワールドと何か関係があるのかもしれない。
Aさんが空想上で作り上げた箸野兄妹はパラレルワールドには存在するのかもしれない。
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