泊まりに行かない?
投稿者:りう (54)
中学生の時、川釣りが流行った。ほぼ毎日の放課後、仲間10人ぐらいで河川敷から小さな魚を釣っていた。
ある日から50代のオッサンがやって来るようになった。
営業活動中のような感じでスラックスにくたびれたワイシャツ姿、いかにも社用のワンボックスカーで。
魚釣りが上手なようで、色々と優しく教えてくれた。
ものすごく話しやすい、良い人だった。
それが数ヶ月たつと、家に遊びに来ないかという流れになり、何人かで自転車で赴いた。家は近所だった。
二階建ての一軒家で、食器はたくさんあり、生活感は満載だった。その人は
「娘は結婚して県外に出た。嫁は入院している。」
と説明した。まったく違和感がなかった。
何回か数人で赴いて、テレビゲームやトランプなどして楽しかった。広い家だったので時々、鬼ごっこみたいな追いかけっこをオッサンが鬼役でやって、捕まると股間や尻を掴まれた。それがまた楽しくて、捕まらないように必死に隠れたり逃げたりした。
ある日、学校の校内放送で
「釣りのオジサンと遊んだことがある人は昼休憩に理科室に集合すること」
と流れた。約20人が集まった目線の先には、スーツの警察官が数人いた。
「オジサンは男の子が好きな大人です。」
「今からここの部屋の四隅で一人づつ話を聞いていきますので、正直に話してください。」
と言われ、1人で家に行ったことがあるか、いやらしいことをされたことがあるか、などを聞かれた。
ほとんどの仲間は、遊びの中で、じゃれた感じで股間や尻を触られた程度だった。ただ、ひとつ気になった。
頻繁に、しきりに
「一緒にオッサンちに泊まりに行こう」
と誘ってきていた山田が理科室に来ていなかった。
その日は風邪で休みだったようだ。
山田は何度も1人でオッサンちに泊まっていたのだ。
翌日以降、山田は普通に登校して、卒業後は同じ高校で仲良くしていた。
山田はバレー部で細身、男前の部類で、彼女もいた。
そしてある日、山田が言った。
「明日、オッサンちに泊まりに行かない?」
理科室のアノ日から約2年が経っていた。山田…
山田はもうおじさんの虜なのか…
ご苦労様です