もう一度夢で会えたら…奇跡の出会い
投稿者:手束 (11)
短編
2022/03/12
10:09
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私は小学生のときに見た、忘れられない夢がある。
夢で、腰まで伸びた黒髪がキレイな10歳くらいの女の子と女の子の胸ほどの背丈で、少し長めの髪の4歳くらいの男の子と河川敷で追いかけっこをして遊んでいた私。
兄弟らしき2人の子のハッキリとした顔や声はわからないけれど、追いかけっこは楽しかった。
私は足が速い。
それでも、ずっと2人には追い付けない。
2人の走る後ろ姿を必死で追いかける。
夕焼けがみえてきた。
すると「リーン」と目覚まし時計の鳴る音が。
私は、これは夢だと悟った。
(夢から覚めたら、もうこの二人に会えなくなる!)
私は、2人に向かって叫んだ。
「ねぇ!私、もう起きて学校に行かないといけない!だから、また私の夢にでてきてね!」
河川敷の上、2人の兄弟を後ろから強く照らす夕日で、顔が眩しくてみられなかったけれど、私は2人が小さくうなずいたような気がした。
それから、私は待ち続けた。
しかし、あの2人の兄弟が現れることはなかった。
そして月日が流れ、私は結婚して2人の子供を授かった。
サラサラの黒髪が自慢のお姉ちゃんは10歳、後ろ姿はまるで男の子のような、足がすこぶる速い妹は4歳。
ママは、ずっとずっと、待ってたよ。
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