深夜の脱衣所
投稿者:手束 (11)
あれは小学3年生の時でした。
当時、家族と住んでいたマンションは、よく怪奇現象が起きる物件で、小学1年生で引っ越してから、度々知らない女の人が私の部屋から出てきたり、マンションのエレベーターから黒い男の人が降りてきたり、声をかけられたり‥ということがありました。
また、マンションの裏には墓地があるお寺があり、その墓地側にある私の部屋は北向きであるからかもしれませんが年中寒くてあまり利用してませんでした。
寝る時も、自部屋ではなく、親の寝室に布団を敷いて寝ていたほどです。
そんなある日、風邪を引いていたため、珍しく親の寝室ではなく自分の部屋で寝ていた時でした。
風邪で熱っぽかったからか、暑くて深夜3時ごろに目が醒めてしまいました。
しかし、部屋の外からドライヤーの音がします。
私の部屋と廊下を挟んでお風呂と脱衣所があるのですが、その脱衣所からドライヤーの音が聞こえるのです。ただ、電気はついておらず、その時間に親も寝ています。
しばらく冷や汗をかきながら布団を頭までかぶりじっとしてました。すると、ドライヤーの音が消え、今度は髪を櫛ですく音がします。
恐怖でその脱衣所と反対側を向いて布団をかぶりながら震えていました。
その櫛の音が消えました。
足音もなく、何も音がしません。
私はそこから記憶がありません。
翌日、流石に怖かったので親や同じマンションに住む同級生に話しました。親には寝ぼけていたのではと言われましたが、同級生は同じような経験があるようでした。
ただ、不思議なことに、その同級生に打ち明けてから一切女の人や男の人が見えること、声も聞こえなくなりました。
今もあるそのマンション、リノベーションされて綺麗になっていますが、彼らはまだ脅かし続けているのでしょうか。
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