去年の9月頃だったと思う。
地元で小さな祭りがあって、その日は花火も上がっていた。
僕は祭りに行ったあと、一人で花火を見に向かっていた。
一緒に来ていた友達とは途中で別れて、好きな人と電話をしながら自転車を漕いでいた。
でも、向かっている途中で花火は終わってしまった。
最後の一発が遠くで開く音だけを聞いたのを覚えている。
ふとスマホを見ると、充電は5%しかなかった。
そのまま2%になるまで通話を続けて、「じゃあまたね」と言って電話を切った。
その時、僕はそこそこ車通りのある細い道にいた。
後ろへ戻っても帰れたけど、少し遠回りになる。
だからそのまま先の道へ進むことにした。
少し行くと、左側に長い川がある道に出る。
川沿いには誘蛾灯がぽつぽつ立っていて、暗い水面をぼんやり照らしていた。
なぜかその光に惹かれて、僕は人のいない川沿いの道を通ることにした。
今思えば、それが間違いだった気がする。
さすがに少し怖かったから、音楽を流しながら帰ることにした。
スマホを自転車のカゴに入れて、そのまま走り出した。
100メートルくらい進んだところで、急に道がガタガタになった。
その辺りから、なんとなく嫌な感じがしていた。
うまく言えないけど、「この先に行きたくない」と本能的に思うような感覚だった。
それでも少し進んだ、その時。
急に音楽が止まった。
その瞬間、理由もなく
「あ、これ以上進んじゃダメだ」
と思った。
慌てて自転車を引き返し、大通りまで戻った。
そのあとスマホを確認すると、充電はまだ残っていた。
しかも再生ボタンは押されたままだった。
なのに、音だけが出ていなかった。
家に帰ったあとも、あの時の感覚がずっと気持ち悪かった。


























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