ついてきた不思議な家族
投稿者:プラム (25)
夫は技術職のため、よく個人宅に依頼されます。
その日夫が担当した地区は、昔感染症の療養をする方が多かった場所でした。
近くにも病院があったのですが、今は普通の住宅地になっています。
夫がその地区にある個人宅へお伺いするときに、ある敷地があるのですがその敷地は荒れ果てた状態で草も生い茂っており、遥か昔に放置された錆だらけの車などがありました。
運転中その敷地の側を通るとき、その車を偶々チラッと見たらしいのですが4人の男女が乗っていたそうです。
その4人はおそらく家族なんじゃないかと言っていましたが、夫が見たときはみんな一点を見つめて微動だにしなかったそうです。
夫も運転中で一瞬だけだったのでもしかしたら見間違いかもしれないけど、と言いながら体験したその日に私に話してくれました。
かなり錆びてて入れないはずの車に人が乗ってんだよ、と興奮気味の夫でしたが私は怖くなかったので夫を宥めつつお風呂の準備をお願いしました。
お風呂に入り子供たちも寝かしつけてリビングに戻ったとき、夫が震えながら私にこう言いました。
「さっきみんなが寝室に行ったとき、車の音がずっとしてたんだけどうるさいからカーテンの隙間から外を見たんだよ。そしたら昼間見たボロボロの車がライトつけて家の前にいるんだよ」
私は面白かったのでぜひ見てみたかったのですが、残念ながら私がリビングに戻ってきたときにはもう車の音もしなくなっていたそうです。
おそらく夫がその家族を認識したから、気になって家に来てしまったのではないかと思います。
なぜどういった経緯であの車が放置されていたのか、乗っていた家族はあの車の持ち主なのか、なぜ亡くなったのか興味がありますが全ては謎です。
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