目が合ったら
投稿者:りう (54)
短編
2022/03/09
00:00
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暇な日、裁判の傍聴をしてる。
その日は殺人事件の裁判で、傍聴者は多かった。
犯行の経緯について説明が始まった。かいつまむと、
被告は生涯独身の老婆で人と馴染めず、周囲の皆が自分を虐げていると思い込んで病んでしまい、その日に外で歩いている時に最初に目が合った人を後ろから包丁で刺そうと決めていたそう。
家を出て最初に若い男とすれ違ったが目が合わなかった。
次に小学生の女の子と出会って、すれ違いざまに女の子が目を合わせながら「こんにちわ」と言って来たので、追っかけて背中を刺したとのことだった。
その説明が終わるやいなや、女の子の母親らしき女性が
「なんで男を刺さなかった!男を刺しとけよ!!」
「あぁぁぁ〜!刺しとけよ〜〜あぁぁぁぁうぁぁ」
と泣き叫び、暴れだした。
被告(老婆)は目を見開いて、右手に何かを握るようにしてその女性を見ていた。
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