二十年後の手紙
投稿者:誠二 (20)
短編
2022/02/05
12:59
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私の知人のYは中学時代手に負えない悪ガキで、同じクラスのТを執拗にいじめていました。
気弱で臆病なТはYに逆らえず、毎日殴る蹴る、靴や体操着を隠される他教科書に酷い落書きをされていました。
落書きの内容は「死ね」「バカ」「臭い」「きもい」だの幼稚な罵詈雑言ですが、油性マジックで全ページに渡りでかでか描いてあるのです。そんな生き地獄に耐えかね、Тは自室で首を吊ってしまいました。
二十年後、YはТの事などすっかり忘れていました。専務の娘である同僚との結婚も決まり順風満帆な人生を送っています。
ある日Yに婚約者から電話がかかってきました。
「差出人があなたで、うちに変な手紙が届いたんだけど……」
婚約者の実家に送り付けられたのはТが罵詈雑言を落書きしたYの教科書の1ページでした。婚約者とその父親にどういうことか問い詰められたYはとぼけきれず、過去の罪を白状しました。彼女はすぐさま幻滅して婚約を取り消し、父親には解雇されます。
その後もYが異性と付き合い結婚目前まで漕ぎ着けるたび、必ず相手の家に破り取られた教科書の1ページが送り付けられてくるのだそうです。Тの遺族の現住所は不明のまま、今なおYは二十年越しの復讐に怯え続けています。
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Yは一生怯えて生きていけばいいと思う、自業自得だから。
ざまあみろだね。
ざまあみろ