肝試しをしたら伝承とオーバーラップした話
投稿者:satori (2)
この話は特に恐怖というほどの話ではないのですが、ちょっと不思議な体験談だったので投稿してみました。
以前私が住んでいた場所の近くに悲劇の伝承がある慰霊碑があったので、そこへ男女含めた友人と肝試しに行ったことがありました。
場所は、埼玉県蓮田市馬込という場所にある寅子岩という慰霊碑です。
伝承では、昔その地に寅子さんという美人な娘がおり、複数の男性から言い寄られていました。
寅子さんは、複数の男性から好意をよせてもらえるのは嬉しいが、気持ちに答えられないと思い悩んでいました。
そんな中、ある日寅子さんの両親が男性達を家の宴会に招きました。
両親は男性達に、寅子さんが気持ちを込めて作ったという料理を振る舞い、男性達は皆大喜びでした。
実は皆が食べたその料理は、自殺した寅子さんの肉を使った料理でした。
気持ちに答えられないならせめて皆の血肉となろうと考えた寅子さんが、両親に自分の肉を提供するよう遺言を残して自殺していたという話です。
男性達がせめてもの償いにと慰霊碑を建てたものが、今も現存する寅子岩です。
ちなみに詳しくは知りませんが、現在でも寅子さんを慰霊する風習も残っているらしいです。
寅子岩の慰霊碑には女性の顔が映るという噂があり、私たちはそれを見に肝試しに行きました。
実は一緒に行った友人の中で、同行した女性A子に対して男性B とC が好意を抱いているという関係がありました。
寅子岩に着くと、いきなりA子が「もう許してください。」と言って、泣きじゃくりパニックになってしまいました。
いきなりのことで唖然としましたがその日は肝試しを中断してすぐ帰りました。
当時のことをA子はよく覚えていないらしいのですが、それからしばらくしてこれといった理由もなく、A子とB、Cは皆疎遠になってしまいました。
私はあまり心霊の類を信じるタイプではないのですが、寅子岩の伝承とオーバーラップしたような状況になり、不思議なこともあるものだと感じました。
寅子さんが一瞬憑依したのでしょうか。面白半分で人様の悲劇に近づくのは、やはりよろしくないなと反省した出来事でした。
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