ダムの初雪と途絶える足跡
投稿者:ザコ (5)
短編
2022/01/09
23:58
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今から20年ほど前、私が学生時代のお話です。
当時、卒業を控え、
合わせて車の免許を取得したばかりの私は、
時間をつぶすが如く、よく遠くへドライブに行っていました。
その日は、夜21時頃地元から友達を連れ、
浜松の佐久間ダムへ向かっていました。
ここは、県内でも有名な心霊スポットです。
かなり長野よりにある為、時間は掛かりましたが、
無事につく事が出来ました。
現地は中心街よりもとても寒く、
雪も積もり掛けていました。
あまり見慣れていない雪もそうですが、
大きなダムを見て、テンションが上がった私達は、
ダムの上の通路を走り回っていました。
ひと通りはしゃぐと、寒くなってきた私達は、
車の方へ歩き始めました。
すると、私達の足跡の横にもう一つ足跡がある事に気付きました。
あれ?これ誰?
と思ったのですが、
よく見ると、足跡がダムの手すりの前で途切れていた為、
はっと思い、声に出すのは止めておきました。
友人を怖がらせたくなかったのもそうですが、
何より、私自身が声に出す事により、
恐ろしさに支配されるのが怖かったからです。
車まで辿り着くと、寒さでテンションの下がった私達は家路につく事にしました。
因みに、この後道に迷い、
旧天竜火葬に辿り着き、身震いした事を強烈に覚えています。
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その足跡は生きた人のものだったのだろうか…