耳鳴りのする地下通路、実は痛ましい事件の…

その日は気持ちの良い天気で、どこか行ったことのない場所にお散歩でもしに行こうかなと思い立ちました。

小さな息子をベビーカーに乗せて家を出ました。

私の住む地域は歴史的価値のある建物や戦国時代からある古いお城など観光スポットの多い場所です。

そのお城をぐるりと囲むようにある遊歩道で散歩しました。

私たち以外にもたくさんの親子連れやお年寄りが景色を楽しみながら散歩していました。

そろそろ昼食の時間だな、とベビーカーの息子と食事できそうなお店を探し始めました。

スマホで地図を見ると、そこから１駅離れた場所にハンバーガーショップがありました。

散歩にもなるし初めての道でしたが歩いて行くことにしました。

お店の目と鼻の先まで来ると、地下通路を通る必要があることがわかりました。

スロープで地下まで降り、地下通路のちょうど真ん中にあるエレベーター出口を通りかかった時のことです。

今まで経験したことのない、耳鳴りと目眩におそわれました。

突然のことに驚いて立ち止まりそうになりましたが、地下通路を出ると途端に良くなりました

なんだかとても気になってしまいその夜、地下通路のことを調べてみました。

すると今から15年程前にバイト帰りの女子高生が何者かによってその地下通路で殺害されていることがわかりました。

事件の概要を見ると、事件現場の写真がありました。

鳥肌が立ってしまいました。

まさに耳鳴りがしたエレベーター出口が写っていました。

生きていればその女子高生は私と同じ歳です。

犯人も捕まっておらず、痛ましい事件…

もしかしたら、女子高生はあの地下通路で自分を殺した犯人を探しているのかもしれません。