処刑場跡にまつわる話

私の生まれ育った街は、東京から電車で40分程と利便性の良い場所にあります。

どこにでもある普通のベッドタウンですが、今から150年程前までは、近くに運河が通っていたことで大変栄えていた場所でした。

そういうこともあり、今は別の市町村に移動しましたが、県庁やさまざまな行政施設が集まっていました。

その中でも現在も地元で話題に上るのは処刑場跡地です。

役目を果たし使われなくなった処刑場はその面影はなく、小さな山のような風情で、新しくその街に越して来た人たちにはその山がなんであったのか知る手がかりはほとんどないでしょう。

しかし、平成になり、その処刑場跡地を買いたいと名乗り出た会社がありました。

噂では、その場所に食品スーパー併設型のマンションを建てるという話でした。

着工してすぐに、作業員が事故に遭うなどのアクシデント。

また、地面からはたくさんの人骨が出てきたそうです。

そして更にはその会社が倒産。

これは全国的にもニュースになりました。

それからはその処刑場跡地が誰の所有で、どう処理されるのはわかりません。

ただ着工途中のままで、立ち入り禁止の囲いとブルーシートに覆われたままです。

なんとも不気味な出来事に付近の住民は大変困惑しています。