幽霊と僕のバトル
投稿者:豪 (3)
それは小学5年生の時でした。
僕は自分の部屋を貰いました。
その部屋は日当たりも悪く暗かったのですが、自分だけの部屋だと思うとワクワクしていました。
ある時、お風呂が終わって、自分の部屋でテレビゲームをしていました。するとドアの隙間から足が出たので、妹がいたずらをしたのだと思いました。
妹の名前を叫んでそこを見てみると、妹はいませんでした。変な視線を感じたので横を見ると空間がずれていたので、まだ小学生だった僕は悲鳴を上げて、母親の所に逃げました。
すると母親の肩に真っ黒い女の子がいて、右を見ても、左を見ても、女の子がニコニコしながらこっちを見ていました。
それから幽霊と僕のバトルが始まりました。
僕は幽霊に腹が立ち、喧嘩上等みたいな感じで叫びました。すると背後に黄色いおじさんが立っていて、一瞬で消えました。
その頃から僕は不登校になりつつあり、それでも自宅にはいたくありませんでした。自宅にいると幽霊が僕をからかってくるからです。
ある時は変な音を鳴らし、ある時は走り抜けていったり、意味不明な映像を見せられたり、僕は不登校だけどいつも外にいました。
母親は昔から幽霊が見える人で、僕もその血筋なのかもしれないと思いました。
家族は僕の事を心配してくれて、お坊さんにお祓いをお願いしました。
お坊さんは僕の部屋の隅に何かを感じると言いました。
つまり僕は幽霊と一緒にいつも部屋にいたのかもしれません。
友達に幽霊の事を言っても、大丈夫か? という視線で見られるだけでした。
お坊さんにお祓いをしてもらってもまったく効果がありませんでした。
時には祖母の家に逃げたりしました。それでも幽霊は追いかけてきました。
有名なお寺に行ったとき、ようやく理由が分かりました。
昔、母親が流産した経験があって、それが僕の次に生まれる予定だった子供だったみたいです。
もしかしたらその子が女の子で、兄である僕をからかっていたのではないかと思いました。
ただ。女の子の幽霊以外にも見えていたというのもあったのか、マンションの自宅から別号室へと引っ越しました。
それから幽霊を見る機会がなくなっていき、自然と幽霊が見えなくなっていきました。
今はたまに幽霊を見たりしますが、不思議と恐怖感はありません。
子供にとって幽霊は恐怖の対象ですが、子供の幽霊にとって、単純に遊んでほしかったのかもしれないと、今更思います。
黄色いおじさんは何だった?