背中に中年の男の人が
投稿者:昇竜 (3)
介護職として働いていた時の話です。
月に数回夜勤があり、その日は夜勤の日でした。
いつも、2人体制の勤務で、担当の階を分けており、それぞれが別々の階で過ごします。
夜中に真っ暗な廊下を通り、数十人の入居者さんの見守りやお世話をしなくてはなりません。私は怖いのが苦手で、暗いところが怖くいつもびくびくしながら、見回っていました。
その日も夜中にも関わらず、寝付けない方も多くてまだ電気がついている部屋も多々ありました。そういう方には、声をかけ、話しをすることもありました。
あるおばあさんの部屋に行った時の事。
その方は日頃からしっかりされている方でした。でも、たまに物忘れがあったり、変な事を言われることもありました。
私が部屋に入ると、「今日は眠れないわ」と言われました。いつもは、あちこちからコールが鳴り他の部屋にも行かなくてはならないためなかなかゆっくり話ができないのですが、その日はとても穏やかな日でした。
なので、少しお話しすることにしました。
普通の会話をしていたのですが、おばあさんが突然
「あら、あなた今日は一人で見回りしているんじゃないのね?珍しいわね」と言われました。
不思議に思った私は、「え?いつも通りに1人で回っていますよ」と言ったのですが、
「え?そう?だって、あなたの背中に中年の男の人がこんなふうにおぶさって、一緒についているじゃない?」と。
そして、おぶさっているような動作をするのです。
「なんだか、優しそうな人よ」と。
背筋が凍るほど怖かったです。もし、認知症があったとしてもいつもしっかりされている方ですから、言われた後は生きた心地がしませんでした。
それからの勤務時間、あまりにも怖すぎて、もう1人の方に事情を話し一緒にいてもらいました。鏡を見てもし姿が見えたら、と思うと鏡を見るのも怖くて、怖くて。
今思い出してもあの発言はなんだったのだろう?と思います。私の祖父が30代で他界しており、おじいちゃん?と思ったり、もしかしたら、私を守ってくれる守護霊のようなものなのかも、と良い風に考えています。
今でも、夜勤はとても苦手です。
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