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不思議体験

ベルベットGさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

偶然を繋げる小さな出来事
長編 2021/11/30 08:08 1,751view

熱心にメモを取る姿などは、新人として一生懸命に早く仕事を覚えようとしていると感じ好感をもった記憶があります。1週間、2週間、新人歓迎会、1ヵ月と順調に研修と時間が過ぎる中で、2ヶ月を終えようとしたときでした。お互い積極的に人と接するタイプではなかったのですが、私も先輩として様子を伺う意味も兼ねて飲みに行く事を提案しました。Bさんもお酒は強い方ではないが、一緒に行きたいと答えてくれました。

居酒屋では「入社してどう?」「社内の人とは交流できてる?」など当たり障りのない会話がほとんどでした。
BさんはAさんとは異なり、お酒も強い方ではなく、生ビール2杯を1時間かけて飲むようなひとでした。しかし、話の口調は軽快になってゆき徐々に自分の話をしてくれました。

元々Bさんは美術大学を出ており、それに関係する仕事を目指して就職活動をしていたそうです。けれども、思うように就職が決まらず、知り合いを通じて紹介してもらった会社に勤務をしていたそうです。働くやりがいが見いだせず、時間だけを過ごすことに悩んでいたそうです。紹介してもらった知人に恩義もあり、辞める理由も見当たらず、必死に気持ちを押さえて働いていたと話してくれました。

そんなBさんが美術とも関係のないわが社に何故入社したのかが気になり始めた頃に、Bさんから思いもよらない経緯を耳にしました。
Bさんが転職を決めた理由はある1冊の本だったそうです。そうです、Aさんが退社を決めた時に話をしてくれた経営の本です。その1冊に出会ったことでBさんは勤めていた会社を退職し、私の勤める会社へ転職をしてきたという事でした。

Bさんが当時勤めていた会社で仕事の関係でお世話になった方から勧められて、その本の内容などを聞いたことがきっかけとなったそうです。そして驚くことにその紹介した方が話を聞いていく中でAさんのお兄さんという偶然に繋がっていました。Aさんのお兄さんから「弟が働いていた会社がとても思い出深い良い会社だった」という事などを聞き、社員募集の縁もあり共に働くことになったというわけです。

その日の夜は久しぶりにAさんへ連絡をして、この偶然を伝え、奇妙な縁もあるものだと電話越しに盛り上がりました。そして、機会をみつけて、いつか3人で飲みに行こうと約束をしながら笑い合いました。

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