夢の中でお参りした話し。
投稿者:くま (4)
小さな頃から、ぬいぐるみが大好きだ。
誕生日に何が欲しい?
そう聞かれたら決まって「○○のぬいぐるみがいい!」と答えるくらい。もちろんお小遣いやお年玉を貯めたお金も、大半がぬいぐるみに代わった。
部屋にはキャラクターもの、量産品、ゲーセンのクレーンの景品など、大小もジャンルも問わず様々なぬいぐるみに溢れていた。
そんな自分だが、ちょっとした病気になった。
その病気は気管支炎を起こしやすくなるもので、両親は私に負担がかからないように、原因になりうる事象を身の回りから減らすように医師から言われたらしい。
例えば激しい運動。動物の毛やそれに関わるあれそれ。急激な寒暖差。タバコなんかの煙。
そして、ぬいぐるみ。
これは私が嫌がった。
私がぬいぐるみを集めていると話した両親に、医師は、ぬいぐるみは古いものであるほどホコリやダニの死骸が多くなるのでなるべく手放した方がいいと告げたそうで。
だが何分幼かったので、自分が大切にしているそれらをどこか見えないところに片付けると言われただけで嫌だなんでと泣き叫んだそうだ。
その時泣き叫んだせいで発作の気管支炎が起こり、それが酷すぎて病院で点滴を打たれた。
大好きなぬいぐるみ達がいなくなるかも……という事がストレスになり不安定になった私は常に軽く発作が起こっている状態になってしまった。
両親が「絶対にぬいぐるみはいなくならないし捨てない」、そういっても私はなかなか信じず、毎晩かわりばんこにぬいぐるみを布団に招き入れて寝ていた。
ある日、夢を見た。
自分は家の前の空き地で四葉のクローバー探しをしていた。
するとクッションが落ちるような変な音が近付いてきたので振り返ると、よく見知ったぬいぐるみが歩いてきていた。
初めて自分で欲しいと思って買ってもらった、くまのぬいぐるみ。
テディベアなんてシャレたものではない。どこかの土産物屋で見かけた、ぬいぐるみの背中にジッパーがついていてちょっとしたもの(小銭とかビー玉とかその程度)を仕舞える、ポーチみたいに使えるもの。
そのくまが、ボテボテと短い足で歩いてきてた。
夢の中だからかなんの疑問も抱かず、一緒に四葉探す? と話しかけると、くまはぐらっと一度傾いた……たぶん、頷かれたんだと思う。
ふたりでしゃがんで、もそもそとクローバーを探る。全然見つからない。空き地もそんなに広くないから、あっという間に目につくクローバーは探し尽くした。
ヤダな。四葉のクローバーがあればみんな捨てなくてすむのに、全然見つからない。
何故かそう考えていたらしい私は、段々泣きそうになっていた。
「私のせいでみんな捨てるっていわれたらごめんね」
べそべそと泣きながらそんな事をくまのぬいぐるみに言っていたと思う。
くまはからだをゆらしていた。私は泣きながらくまを抱っこして歩き出した。
気付けば見渡す限りの田んぼのど真ん中にいた。
そこに小さな神社の様なものがあった。
よかったね。私の妹についてだけど、妹が小学生の頃、母が朝晩働いていて、いつも家に居なかったの、私は家を出ていたから殆んど家に帰ることもなくてね、妹はいつも一人で家にいたのよ、たまには妹の顔をみに帰ろうと思い、妹の誕生日に熊のぬいぐるみを買ってあげたわ、嬉しいことにそのぬいぐるみ20才過ぎても持ってくれていてね、嬉かったわ、ボロボロになって手足が契れかけていても自分で縫い付けて大事に持ってくれていたわ。
自分が選んで好きなものはもちろんですが、大好きな人に貰った大好きなものはずっとずっと持っていたくなりますよね。
なるべく長く傍にいてほしいと思えるくらい大切に出来る宝物を貰えた妹さんも、それをプレゼントして差し上げた貴女も素敵です。
良いお話し、ありがとうございます。
取り出されたクローバーは四つ葉だったのかな?
昔探偵番組で四つ葉見つけるの速い女の子やってたけど、なかなか面白かったし、ちょっと怖かった。