雨の夜、霊園に現れる女
投稿者:ちゅりね (2)
これは、私が学生時代に体験した話です。
私の通っていた大学から家までの通り道には、大きなお寺があり、その側に広い霊園がありました。
私は毎日その霊園のそばを通って大学に行っていたのですが、私自身に霊感があるわけではなかったので、さほど気にすることはありませんでした。
大学4年生の時、卒論を書くために夜遅くまで大学の図書館に残っていた時期があり、当時は毎日夜遅くに帰っていました。
ある雨の日、いつものように夜遅くまで残って卒論を書き、通い慣れた霊園のそばを通って帰っていると、霊園の奥の方に人影が見えました。
こんな時間におかしいと思いつつ視線をやると、白い服を着た女の人がお墓の前に立っているのです。
私は見てはいけないものを見てしまったかと思った反面、気のせいかなとも思いながらその日はそのまま家に帰ったので、当時はあまり印象には残っていませんでした。
次の日の夜も同じように帰りが夜遅くなり、また霊園のそばを通ったのですが、誰もいなかったので、あれは気のせいだったのだと、安心して帰りました。
それから数日経った雨の日、またいつものように遅くなり、夜霊園のそばを通ると、あの時と同じ場所にまた白い服の女の人が立っていました。
私はこの時点で、この女の人が雨の夜の日に現れるのだと気付き、もう雨の日は通らないようにしようと思い視線を進行方向に向けました。
しかし前回見たとは違い、明らかに視線を感じるのです。
見てはいけないと思いつつも、怖いもの見たさで視線を霊園の方にやると、最初に見た時よりも明らかに近いところに女の人が立って私のことをじっと見ていました。
私は驚き、急いで目を逸らして家に走って帰りました。
その後家に戻り、霊園で見たものを忘れようと思い寝ていると、人生で初めての金縛りにあい、身体が動かなくなりました。
しかし自分では身体を動かすことができないのに、自然と身体が仰向けになっていくのです。
仰向けになり天井を見上げると、天井に女の人が張り付いて自分のことをにらみつけていました。
そこで私は気を失ってしまい、気がついたら朝になっていました。
汗をひどくかいていたので、すぐにシャワーを浴びようと浴室に入り、シャワーを頭からかぶりました。
すると明らかに私のものでは無い長い髪の毛が、私の目の前に流れてきて、あの夜のことは本当のことだったと気付き、身体が震えたことを今でも覚えています。
以降、雨の夜の日は霊園のそばを通ることは、大学を卒業するまで二度とありませんでした。
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