案山子の怪異
投稿者:ナナシー (36)
これは、知人が体験した話です。
年に一度、お盆に訪れる祖母宅、田舎暮らしなので、近場にコンビニがあるワケでもなく、永遠と田んぼが続いているような風景があるそうです。
都会ぐらしだった知人は、田舎のその風景が好きで、大はしゃぎで田んぼなどを夕暮れまで駆け回っていたそうです。
そして、日が陰り、あたりが暗くなってきた頃、ピタッと風が止んだと思ったら、気持ち悪いぐらい、生ぬるい風が吹いたそうです。
さらに、背中に視線が向けられていると感じた知人、パッとその方向を向くと案山子が立っていたといいます。
あの案山子、さっきまであったかな?と思ったらしいのですが、あたりが暗くなってきたため、帰路に着こうと歩き出したそうです。
案山子からずいぶん距離がある場所から、案山子の立っている方向を見ると、立っていたはずのところに案山子が立っていなかったそうです。
えっ、確かにあそこに立ってたのにっと、鳥肌が立ったといいます。
土地勘がある場所ではなかったから、見間違えたのかもしれないと思ったで、また案山子の立っていた方向を背にして歩き出したようです。
夕日も山の奥に消えてしまいそうなほどに暗がりになり、近くに人がいるわけでもないから、怖さが際立ったといいます。
そのとき、一瞬奇妙に感じたそうです。
また、生ぬるい風が吹き、「帰れ」っと声がしたそうです。
とっさに、後ろを振り返るとさっきまで無かったはずの場所に案山子が立っていたといいます。
祖母に話をしたところ変貌して、二度とあの場所に行ってはならないとだけいわれたそうです。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。