脳裏に焼き付く「何か」
投稿者:てんつる (3)
これは私が実際に体験したお話です。
数年前の出来事なのですが、当時、私は夫と二人暮しをしていました。
私は専業主婦、夫は会社員で都内に勤務していたのですが、住んでいるところが都心からは離れた県で、通勤には2時間ほどかかるところでした。
夫が転職も考えていたこともあり、もう少し都内に近い場所に引っ越そうという話になりました。
当時探していた引越し先の付近はベッドタウンとして人気になりつつあり、分譲マンションやアパート、戸建てと、住宅が沢山建てられていたので、私たち夫婦はとある県堺の駅近の新築アパートに引っ越すことに決めました。
比較的新しい駅や街で交通の便もよく、街も明るくて綺麗でしたし、バルコニーからは東京スカイツリーが見えてとても気に入りました。
新しい生活が始まり、夫は会社まで今までの半分くらいの時間で通勤もできるようになりましたし、私もスーパーなど日常に必要な買い物が歩いてすぐのところで済ませられるようになったので快適に過ごしていました。
しばらくして、平日いつものように日中一人で過ごしていると、私は頭痛がしてきたので寝室のベッドで少し横になることにしました。
というのも、私は頭痛持ちでしたので珍しいことではなく、「あぁ今日もいつもの頭痛だ、薬を飲んで少し横になろう」という感じで、少し休むことにしました。
快適ではあっても新しい土地や新しい生活、引っ越しの疲れも出たのかもしれません。
頭が痛いなぁと思いながらも横になっていると次第にウトウトとしてきました。
このまま寝てしまえば頭痛も少し良くなるかな、とそのまま横になって目を閉じていると、ベッドに誰かが乗ってこちらに移動してくるような感覚がしました。
かなりウトウトしていたこともあり、私は寝ぼけている状態だったので「あ、夫が帰ってきたのかな、早くご飯の準備をしなくちゃ」と思い起きて辺りを見回すと、誰もいませんでした。
確かにベッドが沈む感じはあったのですが、気のせいだったのか、寝ぼけていたせいだったのかと、そんな風に思って特に気にせず、その日は終わりました。
しばらくして、親戚の子どもが近所に住んでいることもあり、その子が遊びに来ることになりました。
小学生の男の子なのでテレビゲームが好きで、夫と一緒にゲームをして盛り上がりました。
私もしばらく一緒にゲームをしたりお話をしたりして楽しんでいたのですが、またいつもの頭痛に襲われました。
またいつものか、と思い、夫と親戚の子にその旨を伝え、リビングのすぐ隣の寝室のベッドで横になることにしました。
夫と親戚の子はゲームの続きをして遊んでいます。
またウトウトとし始めた頃、ちょうど二人が遊んでいる方向に背を向けて寝ていたのですが、親戚の子にトントンと肩を叩かれました。
何かあったのかな?と起きてそちらを向くと、二人はソファーに座ってゲームの続きをしています。
「○○くん、今おばさんの肩叩いた?呼びに来たかな?何かあった?」
と聞くと
「ううん、ずっとゲームしてたよ」
と言われ、確かに隣の部屋と言ってもそんなにすぐにソファーには戻れない距離にいるし、頭痛がして横になっている私にイタズラをするような子でもありません。
あの時と同じような勘違いか、と思いましたが私は不思議だな、と思いこの時もそれ以上深くは考えませんでした。
そしてまたしばらくして、今度は夜中に寝室のベッドで寝ている時のことでした。
トイレに行きたくなった私は起き上がり、トイレに行ってから洗面所で手を洗っていました。
すると急に背後に何か気配を感じました。
明らかに夫ではない。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。