夢に潜む謎の女の子
投稿者:Ash (6)
中学生の頃、寝ている時にある夢を見ました。
その夢は夜中に自転車で自宅に帰宅しようとしている、内容自体は面白みも無い夢でした。
しかし、その夢の中ですれ違う人らは何故か私に対して驚いた表情をしています。
気になりつつも、自宅に帰ろうとしました。
でも私自身も違和感を覚え初め、後ろを振り返りました。
そこには小学生にもならない女の子がいました。
私は少し驚きながらも、その女の子に声をかけました。
すると女の子は「遊んで!私と遊ぼ!!」と返しました。
その時の私は、どうしても自宅に帰りたかったのか、女の子のお願いを「ごめん」と断り、その場を去ろうとしました。
そして、女の子は泣き始め「遊んでよー!!ねえ!遊んでよ!!」と私に訴えかけます。
普段の私は、どちらかと言えば温厚な方なのですが、今回の夢の中の私は何故か冷酷寄りで、女の子の訴えを無視して、自転車を漕ぎ始めました。
そして少しして、違和感を覚えました。
自転車を漕いで女の子から遠ざかっているはずなのに、女の子の泣き声は遠ざからない。
それどころか、耳の中で反響する様に聞こえ始めました。
そのことに気付いた瞬間「遊ばないなら、怒るよ!!」と女の子は幼いながらに迫力のある声で、私に怒鳴りつけました。
私は驚き、女の子のいる方を振り向きました。
そこには、小さな体には似つかわしくないおどろおどろしい大鎌を持って、私を襲おうと走り出した女の子の姿がありました。
私は命の危機を感じ、自転車を必死に漕いで、女の子から逃げようとしました。
「何で!!何で逃げるの!!遊ぼうよ!!ねえ!!」と女の子の声がひたすらに耳の中で反響します。
自転車と女の子の走行、普通に考えれば自転車の方が圧倒的に有利であるが、女の子は自転車と同じ速さどころか、自転車に追いつく速度でついてきました。
私は、すぐ後ろに女の子が追いついている事に気付き、その瞬間、首が何かによって切り落とされる感覚に襲われました。
状況からして、女の子の大鎌に切られたのでしょう。
そうして、私の意識は現実の世界に戻り、私は寝床で寝ている事に気付きました。
私は「なんだ夢か…」と安堵しました。
が、私は身体が動かなくなっており、金縛りにあっている事に気付きました。
金縛りにあう事自体は初めてでは無かったのですが、今回のは違いました。
金縛りにあっている間、耳に聞こえる音は、聞こえるはずも無い太鼓、鈴の音、そして色んな人間の雄たけびや呻き声、それらがずっと鳴り響いていたのです。
私は恐怖で泣き叫んだが、身体は動かず、音は大きくなる。
人々の声を聴いているとその中の一つに聞き覚えのある声がありました。
夢に出て来た女の子のものです。
水子か死神だろね。