白い顔の女
投稿者:RedJohn (1)
数年前、東京に住んでいた時に体験した話です。
当時私は東京の豊島区の要町という所に住んでいました。
そこは会社の寮で、私はその一階で暮らしていました。
ベランダが異常に狭く、服を干す事が難しかった為、洗濯物は基本的に全て室内干しでした。その為、せめて早く乾かそうと寝る際は
いつも窓を開けて網戸だけを閉めて寝ていました。
その日はいつもより寒かったので、窓を閉めて寝ることにしました。
夜中にカラカラカラという音で目が覚めた私は、音のする窓の方を見ました。
そこには、顔が異常に白く、目を見開いた女が網戸を開け閉めしている姿がありました。
その顔の白さが尋常ではなく、青白いというよりは京都の舞妓のように化粧を塗りたくったような白さだったのを覚えています。
ちょうど、かなり前に流行った
だめよ〜ダメダメっていうギャグをする
お笑い芸人の白い方にそっくりでした。
そいつは目を見開きこちらを凝視しながら
窓の向こうで網戸をひたすら開け閉めしています。本当に予想外のことが起きると人間、声が胸につっかえて声を出せないことを初めて知りました。そいつと目が合いながらも叫び声を上げることもできず、只々カラカラカラという網戸を開け閉めする音だけが鳴っています。どれほど時間が経ったのか、体感ではとてつもなく長く感じました。
そいつは手を止め、口を開き何かを喋りました。窓越しのため声はよく聞き取れませんでしたが、顔が白かったので暗い中でも口の動きがよくわかりました。
「いつもは開いているのに」
そいつは間違いなくそう言っていたと思います。そいつはその後スライドする様に
窓の端に消えていきました。
私は起こったことが信じられず、布団を被って震えていました。そのままいつの間にか寝てしまっていたらしく、気づくと外は明るくなっていました。
悪い夢を見てしまったと思った私は窓を開けて外の空気を吸おうとしました。そして気付きました、寝る前に閉めていた網戸が開いていることに。
今はもうそこの寮にはすんでいませんが
数年前に実際にあった出来事です。
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