ベッドの横に立つ懐かしい感じがする誰か
投稿者:ブラジル産 (11)
我が家は両親と三人姉妹の5人家族。私は次女で、姉とは3歳差でした。私は小さい頃は父親譲りの喘息と扁桃腺炎持ちで体が弱く、しょっちゅう学校を休んでいました。
ある日、私はいつもの様に高熱にうなされて一人家で寝込んでいました。姉妹は学校だし、両親ともに仕事中です。私は高熱でぼんやりしながら、2階の子供部屋のベッドで寝込んでいました。
いつの間にウトウトしていたのでしょうか。私はすっかり寝てしまっていたようで、ぼんやりした頭で目を覚ましました。いつもと変わらない高い天井が見えます。
私は起き上がろうと体を起こそうとして、ふと気が付きました。ベッドの横に誰かが立っているのです。
人影を見つめると、そこには私と同い年くらいの男の子が立っていました。誰なんだろう、と怖くて喋れない私に、彼はそっと手を延ばして、私の手をぎゅっと握ってくれました。
会ったことないと思うけど、なんだか懐かしい気がするなあ。
そう思っていると、彼は優しく笑って私に言いました。
「風邪ばっかりでしんどいね。母さんが心配してるから、早く帰りな」
そこで私は目が覚めました。それと同時に、母から抱きしめられて、私はしばらくの間あ然としていました。
母の話によると、母が職場から帰宅したときには既にぐったりとして、話しかけても意識も飛んでいたそうです。
私は今見た夢を母に話すと、母は驚いたような顔をして少し涙ぐみました。そして実は姉と私の間に、もう一人妊娠していたこと。その子はお腹の中で死んでしまい、性別もわからなかったけれど、何年か前に夢に男の子が出てきて、ああ、この子はあの時の子だと思ったんだそうです。
「お兄ちゃんが心配して来てくれたんだね」
そう言われて、私は自分にはあんな優しいお兄ちゃんがいたのかと感動したものです。
それ以来私は兄に会うことはありませんでしたが、母は今でも夢に見たり、家で子供の足音を聞いたりするそうです。
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