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心霊

光さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

不動産営業で物件写真を撮っていた時の話
短編 2021/08/25 17:22 1,979view

これは、私が10年ほど前に不動産営業の仕事をしていた時の話です。不動産営業職は5月から9月くらいまで閑散期になります。その際、物件の写真を撮る仕事がよくあります。
8月のジメジメした蒸し暑い日でした。私は福岡県福岡市博多区のとあるマンションの一室の写真を撮りに行くことになりました。

そのマンションは築年数30年程で10階建ての単身者から家族向けの間取りがある比較的大きなマンションでした。近くのコインパーキングに車を止めると歩いて行きました。マンションに着くと、共用部を改装中のようで、足場が組んであり、外壁をシートで覆い隠されていました。外観の撮影を諦めた私は、早速部屋に向かいました。
オートロックはなく、エントランスに入ると、先程まで蒸し暑く汗が滴っていたのに、スッと背中が冷えたのを覚えています。何とも言えない違和感を感じたのですが、あまり気にせずエレベーターに乗りました。

撮影する部屋のフロアに着くと、異様に静かでした。時間帯としては午後2時頃なので、工事の音などが聞こえていてもいいはず…。
早く終わらせたくなった私は、急いで部屋へと向かいました。ドアを開け、部屋に入ると、物件資料の通りリノベーションしてあります。間取りは1DKで白を基調とした明るい造りのはず…。南東向きの部屋で天候も晴れ。それなのに、微妙に暗く、その暗さを隠すかのように部屋が真っ白でした。とにかく急ごう。そう思って夢中で写真を撮っていました。

ダイニング全体の写真を撮るため、ベランダに出てカメラを構え、窓を全開にしてカメラを構えました。ふっと背後に気配を感じ、背筋がゾクッとなった途端のことです。風も吹いていないのに、ダイニングと隣の部屋を繋ぐドアがゆっくり閉まリました。明らかに誰かが閉めたかのような感じで、ゆっくりと閉まって行ったのです。突然のことに固まっていると、姿は見えないのですが、リビングの隣の部屋に何者かの気配があるのです。あまりの恐怖に一目散に逃げ出しました。

会社に戻りカメラを確認したが、特に何も写っていませんでした。また、部屋の写真を撮る際に、部屋の鍵を借りた管理会社に再度尋ねて見たのですが、部屋も共用部分にも事故事件はないそうです。
しかし、あの部屋には確実に何かがいました。事故物件でなくとも恐ろしい場所はあるようです。

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コメント(2)
  • 事故物件でもないのに感じるなんて敏感肌なんですね。

    2021/08/26/01:56
  • 読みやすい。怖くなってきた!

    2023/09/02/15:43

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