下の隙間、壁のツタ。
投稿者:塁 (4)
きっと精神的にも参っていた、今はそう思うようにしています。
受験勉強と受験という文字が頭の中をずたずたと、食いちぎりミキサーのかけられるような感覚で苦しんでいたころのはなしです。この感覚が続きしばらくしてからは不眠にも悩むようになっていました。
誰からブレシャーをかけられていたわけでもないのですが、つねに疲れており
それなのに眠れないといった日々を過ごしていました。
そんな日を繰り返し、今日も眠れないのかな…。そんな事を思いながらもいつものようにベットに入り布団をかぶりました。
だがこの日は少し違ったのです。何日ぶりかうとうとと、眠気が襲ったんです。
眠れるのか久しぶりに、そう思った瞬間でした。
なにかいる。
右側を向いていたのですが、向かい側になにかの存在感を感じたんです。
徐々に存在感は目をつぶっているにも関わらず強くなりはっきりとした人の顔が頭に浮かびあがりました。浮かびあがったというより目をつぶっているはずなのに見えている、そんな感覚でした。
男の子です。目がとても大きくって目頭と目じりを切開されたようなおおきさで、白目のすみが赤黒く充血していました。
冷汗がだらだらと流れました。目を開けたらヤバいんじゃないか、そんな思いで必死に寝たふりをしました。
早く消えてくれ早く消えてくれ早く消えてくれ早く消えてくれ….ただそしか考えれませんでした。
するとです。にたァっと笑うんです。歯茎が上も下も見えてる不気味でしょうがなかったです。あんなに小柄な男の子にはとても違和感のある、目の大きさと歯一本一本が大きく、顔は青白い肌に赤く血管がうっすら見えていました。
すっとそこにいた感覚が消えたとおもえば今度はどの角度なのかもわからなほうから、ぐねっと首を曲げてのぞき込んでくる。目をぎょろぎょろと泳がせていました。まるで何かを探しているような、そんな動きです。
細く関節の骨がボコボコしていててやけに大きい手を片方すっと挙げてひらひらと手を、振り出しました。
また、なにかいるの…?
ドキドキとしながら様子をかがっていました。
すると、羊のような人間がどこからともなく現れたのです。
鳴き声は、羊そのものです。目は白目がなく真っ黒で、手と足はとてもとても長かったと思います。つめは。ヤギのような爪でした。
めぇーめぇーとなきながらその場に正座をして私をじっと見ているのが解りました。
本気で頭がだめになったと思いました。
もう、明日も課題があるのに….と怒りと恐怖が混じった感覚に陥っていると、こんどはズンっとベットが天井側に少しだけ押し上げられるような感覚がしました。私は、ただ横向きのまま微動だにせずじっとしていました。
トントントントントントン….とこんどは天井からノックのような音。
その音の正体はすぐにわかりました。つたです。
私のへやの天井からつたが伸びてきたんです。そのつたはちょっとずつ太くなり大木の根っこのようになりました。
なんども言いますが私はこのとき目を一切開けていませんでした。
なのに感覚でつたわってくる。見たくないのに見なければなりませんでした。
根っこが少しずつ人の皮膚のようなものに変わっていっている様子や、表情があのまま固まってしまった男の子がベットの下の隙間にガリガリと皮膚を削られながら入っていく様子を。
そして謎のヤギのような羊のような男の鳴き声は金切り声になりうるさくて仕方ありません。
変な夢の話ですねぇ!